越えてはいけない一線 ページ22
試合後、固めた芦戸を氷から解放し
"遊びならまた今度誘って"とひと声掛けた
試合前、芦戸が勝敗と共に賭けていた話だ
つまり"今度遊びに行こう"という事である
試合に負けた芦戸も大喜びであった
ｶﾞﾁｬ
『＿＿＿！』
轟「A…」
彼女が帰還した控え室
自らの個性で水浸しになった体操服を着替えに来ていた
取り敢えず重くなった上着を脱ぎ
タンクトップの姿になった頃、その控え室へ焦凍が現れた
……ｶﾞﾁｬﾘ
その焦凍によってドアの鍵が閉められる
Aの様に体操服の着替えをする時の為にこのドアには鍵があったのだ
A自身も鍵を閉めようという考えはあったが、重たく肌に張り付く上着を脱いだ後にそうするつもりだった
…つまり、タイミングが悪すぎた
『……焦凍』
閉められた鍵の音に濡れた上着を持って彼女が数歩後ずさる
彼女は先程、焦凍を突き放したばかりだ
轟「A、離れないでくれ…」
焦凍はそんなAに近付いて行く
後ずさっても、何倍もの勢いで距離を詰めてくる
ﾊﾟｼｯ
『あっ…』
轟「A」
焦凍がAの腕をとる
その反動で手に持っていた上着はベチャリと床へ落ちた
これはまずいとAは焦凍から逃れようと藻掻く
轟「A」
『＿＿＿っ…』
ピシリ、とAの動きが止まった
ﾁｭ
彼の唇が、弟の唇が、片割れの唇が
姉であるAの唇を塞いでいた
唖然とするAをいい事に腕を解放すると今度は背中から腕を回し肩を抱く
" 離 さ な い "
それを体現するように彼女の体を己の方へ引き寄せる
Aの濡れた素肌を撫でながら自身の鼻に入る彼女の香りに、感触に満足感を覚える
焦凍はまさか姉に突き放されるとは思いもしなかった
姉は自分の事を大事に思ってくれている
それは行動や言動から伝わっていた
にも関わらずだ
Aは焦凍に距離をとるように言った
どうして
どうして
どうして
ど う し て
何の原因も全て
Aを苦しめたのも
俺を突き放すように促したのも
お母さんを奪った上に
俺の大事なAまで奪うつもりなのか
そんな事は許さない
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杏夏(プロフ) - 絵、上手すぎですね！！羨ましいです✨どうやったらこんな絵が描けるのですか？教えてほしいですね！！！！！ (4月26日 21時) (
レス) @page29 id: d5c97d49df (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 絵上手すぎません? ヒロアカ担当のアニメーターさんですか? (2022年10月8日 2時) (レス) @page35 id: 7df2c50704 (このIDを非表示/違反報告)
けい - 続き楽しみにしています！ (2022年3月22日 15時) (レス) @page43 id: 04124863a7 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 絵も内容も素敵すぎる！！更新待ってますれ！！！ (2022年1月10日 12時) (レス) @page42 id: ee5d294950 (このIDを非表示/違反報告)
腐腐腐 - めっさ好きです！この作品に運命(？)を感じました笑 (2021年10月10日 21時) (レス) @page39 id: c7cac8184e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘党組
| 作成日時：2021年6月12日 19時
