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「連れがいないようですけど、どうやってここにいらしたんですか？」
「走ってきました。陸続きだったので」
「船着き場から？」
「いえ、ええと」
ちょっと考えてから美味しいステーキを頂いた国の名前を答えると、男はいかにもびっくりしましたという顔で固まった。
「ちなみに何日くらいで？」
「えと、四半日くらいですね。朝から走り通しでちょっと疲れました」
主に精神的に。
「……誰の道案内もなく？」
「そうですね。すごく急いでいたので誰かに尋ねる暇もなくて。あれ、ザバン市で合ってますよね？」
「……合っていることは合っていますよ……」
男は人の良さそうな顔を苦笑の形に歪めた。
「たまにとっくにとんでもない実力があるのにライセンス未所持の人がいますが、あなたもそういうタイプのようですね」
「あのう、関係者の方です？」
「申し遅れました。私は試験会場へのナビゲーターを任されているものです」
はあなるほど、とAは相槌を打った。
「本来しかるべき予備試験をクリアした方のみを案内しているのですが……問題ないでしょう。試験会場はこっちです」
どうやら本物を引き当てたようだ。彼女の言を嘘つきと笑わないのだから、見る目はあるのだろう。
「やっぱり街中で叫んでるの目立ちました？」
「ものすごく目立ちましたし、仲間から何やら猛スピードの物体が向かってきているという報告もありまして」
「ああはいわたしですねそれ」
何にせよ作戦が実ったようで何よりである。
男についていくと一軒の定食屋についた。Aを伴って店内に入った男は店主とおぼしき人物に声をかける。
「ステーキ定食、弱火でじっくり」
店主の目が分かりやすく光った。
「あいよ、奥の部屋へどうぞ」
符牒か何かだったのだろう。案内の男が目で促すのでAは奥の扉に手をかけた。
「あ、定食は三人前でお願いします」
「……」
全力で呆れられたが無事定食は三人前腹に納めることができた。
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海野(プロフ) - sakuさん» そのとおりですね。指摘ありがとうございます、記述を訂正しました。 (2019年4月9日 8時) (
レス) id: 542ac62a81 (このIDを非表示/違反報告)
saku(プロフ) - すみません。ページ12で『白日の詐欺師』にも隠は効くっていうの、そもそもの能力発動条件をクリア出来てないんじゃないでしょうか？纏以外使えないという条件でしたよね？間違ってたらすみません！ (2019年4月7日 12時) (レス) id: 7af2b9ccfb (このIDを非表示/違反報告)
海野(プロフ) - sakuさん» コメントありがとうございます。心外ピエロの作者と個人的に交流があるのですが、sakuさんがどちらにもコメントをくださっていてびっくりだねという話をちょうどしておりました。いいですよね。続編も続けられるよう頑張ります！ (2019年2月3日 8時) (レス) id: 2600401e00 (このIDを非表示/違反報告)
saku(プロフ) - 心外ピエロ私もよんでるんですが…いいですよね！あと、更新お疲れ様です。相変わらずとても面白かったです。 (2019年2月2日 22時) (レス) id: ee214ae639 (このIDを非表示/違反報告)
海野(プロフ) - 操菜 荘椏さん» コメントありがとうございます。これからも頑張ります。 (2019年2月2日 19時) (レス) id: 2600401e00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海野 | 作成日時：2019年1月16日 13時
