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「この写真の男はね、賞金首なの。ちょっと漁ったら非人道的手段でしか手に入らない情報や財産を山ほど持っていたよ」
調べたのは当人の殺害後、財産を着服するときだ。
「彼はハンターになられると困る男がいると言った。それだけの実力を有する男だと。今までに試験を受けたことがあるような口振りじゃなかった」
165番はそこで悟った目をした。
「本人はわかったかな？ 今年のルーキーの中で男と言っていい年齢なのは五人。レオリオもクラピカもこの男を知らなかった。それにレオリオは医者志望だし、クルタ族とこの男は関係がない」
208番は怪訝さと怯えが入り交じった目でAを見ている。
「294番――ハンゾーは、わからないね。この男が一方的にハンゾーを知っていたのかもしれないし。でも、この男を知っていた二人のうち、一人が
Aは片眉を上げてみせた。165番は無表情を取り繕う。
「ああいう男が恨みを買うのはよくあることだよね。そんな男がハンターになられると困る、なんて、よっぽど弱みとか秘密でも握っているのかな」
「……俺は」
「ああ、いいよ。そういうのに興味ないから。じゃあ、やっぱりそうなんだ？ きみはライセンスを取って力さえ手に入れれば、あの男をどうとでもできる立場にいたわけだ」
165番は無言で頷いた。208番が安堵を浮かべたのとは対照的な表情で。
「もしかしてと思って色々データを調べたら、要注意人物のリストにH.R.ってイニシャルが頻出するの。
――じゃあ、これが最後の質問ね。65番さん、お名前は？」
「――舐めるな！！」
165番の唇が音を紡ぎ終わった瞬間、
彼が投げつけたナイフが数本髪を切断し、
Aの指先が彼の心臓を貫いた。
がほ、と息と血を一緒に吐いて、男の身体が崩れ落ちる。
窮鼠なんたらというやつか。届いてはいないが。
208番が今度こそ引き攣った悲鳴をあげて、身を翻して逃げ出そうとした。
「逃がさない」
彼女は悠々とその前に立ち塞がる。
男は涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら喚いた。
「ひっ……なんで、なんでだ！ プレートはやった！ 俺は違うんだろう！？ この通りだ、見逃してくれ……！」
「だって、きみの
それにほら、とAは付け足した。
「わたし、殺人鬼だし」
免罪符ではなく、ただの事実だ。
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海野(プロフ) - sakuさん» そのとおりですね。指摘ありがとうございます、記述を訂正しました。 (2019年4月9日 8時) (
レス) id: 542ac62a81 (このIDを非表示/違反報告)
saku(プロフ) - すみません。ページ12で『白日の詐欺師』にも隠は効くっていうの、そもそもの能力発動条件をクリア出来てないんじゃないでしょうか？纏以外使えないという条件でしたよね？間違ってたらすみません！ (2019年4月7日 12時) (レス) id: 7af2b9ccfb (このIDを非表示/違反報告)
海野(プロフ) - sakuさん» コメントありがとうございます。心外ピエロの作者と個人的に交流があるのですが、sakuさんがどちらにもコメントをくださっていてびっくりだねという話をちょうどしておりました。いいですよね。続編も続けられるよう頑張ります！ (2019年2月3日 8時) (レス) id: 2600401e00 (このIDを非表示/違反報告)
saku(プロフ) - 心外ピエロ私もよんでるんですが…いいですよね！あと、更新お疲れ様です。相変わらずとても面白かったです。 (2019年2月2日 22時) (レス) id: ee214ae639 (このIDを非表示/違反報告)
海野(プロフ) - 操菜 荘椏さん» コメントありがとうございます。これからも頑張ります。 (2019年2月2日 19時) (レス) id: 2600401e00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海野 | 作成日時：2019年1月16日 13時
