【H×H】ゾルディック家長女（偽）の道行

魚も焼かずば食べられまい ページ15

「二次試験は――料理よ！！」
「わたし試験官に回っちゃダメ？」

Aはこれでも真剣に発言したのだから、吹き出したレオリオはしばらく許さない。

豚の丸焼きは、まだよかった。サクッと狩ってきてサクッと血抜きしてサクッと臓物抜いて焼けばいい。ちなみにもったいないので焼き上がりを待つ間内臓は適当に調理して自分で食べた。

いやだが、スシとは。

確かにAは食べることが好きだ。おいしいものも好きだ。だが決して美食家なわけではない。むしろゲテモノもキワモノも何でも食べられるタイプだ。

そんな大雑把な女がどこぞの得体の知れない民族料理を作り出す意欲を持とうか反語。

クラピカの活躍により材料は判明したものの、レオリオの失態により受験生全員がそれを知り、料理というよりは何かのオブジェのような代物が次々と試験官のメンチに提出された。

そりゃあ美食ハンターじゃなくたってキレ散らかしもする。

獲ってきた魚にのんびりと包丁を入れながらAは呟いた。

「……あのさ、みんなせめて捌こう？」

頼むからその手があったか！ みたいな目で見ないでほしい。


その後、スシを知っていたハンゾーとかいうハゲのせいでメンチのハードルが天を衝かんばかりに上がり、結局二次試験合格者はゼロ人と相成った。

「……嘘でしょ？｣

流石のAもスシっぽい何かが乗った皿を片手に呆然とした。

しけんかんはばかなのか。

鳥は隠れど食さるる→←actor：クラピカ

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