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「A!!!!!」
ハッと我に返ると、見えたのは天井と、大好きな人の顔だった。
「臣、くん……?」
まだぼやける視界の中、臣くんの存在を確かめようと手を伸ばした。そっと頰に触れると、水滴が指を伝う。
「泣いて…ます…?」
頰に伸ばした私の手を、臣くんの手が覆った。すがりつくように手に頰を擦り寄せて、泣きながら笑う臣くんに恥ずかしくなって目が覚めた。
「A…」
「わ…ちょっ、臣くん、恥ずかしいですそれ…」
初めて見る臣くんの泣き顔に、なんだか特別な気分になる。私の頭を撫でた臣くんの手に、今度は私がすり寄った。
「確かに、恥ずかしいな」
「恥ずかしいでしょ?」
そう言ってへへっと笑うと、臣くんも優しく笑い返してくれる。起き上がろうとした私の肩を、臣くんが支えた。
「ありが…わっ!?」
起き上がった瞬間、抱きしめられた。あまりにも唐突な出来事に、小さく叫び声をあげた。
「臣くん!?」
等の臣くんは私の肩に顔をうずめて、腕にぐっと力を込めた。
「A、A…、よかった、俺、Aがいなくなったらどうなるかと…」
どんどん強くなっていく力に苦しくなって、臣くんの背中を叩く。でも悪くない苦しさだ。
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昴(プロフ) - 久しぶりに号泣しながら読んでしまった夢小説でした。臣くんが大好きな夢女子なのですが本当に素敵な作品でした…!!! (2018年10月23日 3時) (レス) id: 3439a22a83 (このIDを非表示/違反報告)
蜂蜜れもん(プロフ) - 久しぶりに神小説に出会いました。臣くん激推しとしてはもうキュンキュンが止まりませんでした。素敵な小説をありがとうございます。 (2018年9月2日 10時) (レス) id: 4ab99102e5 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても素敵な作品でした。キャラに違和感を感じることもなく、お話もとても面白くて、読みふけってしまいました笑臣くんの作品は少ないのでとても感謝です!ミカエルのお話も楽しみです!素敵な作品をありがとうございます文字数が足りません (2017年12月2日 12時) (レス) id: da1c726ffb (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 完結おめでとうございます!いつも楽しみに見ていました!最高でした!!!次回作もとても楽しみです応援しています!花吐く蕾に出会えて良かったです!!!終わってしまったかと思うと寂しいです、 素敵な作品をありがとうございました!!!!!! (2017年7月1日 12時) (レス) id: 6cf0ec161e (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - はじめまして! 完結おめでとうございます!!次の作品もとっても楽しみです…!応援してます!!!!素敵な作品をありがとうございました!! (2017年7月1日 10時) (レス) id: 408fdb951b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくの | 作者ホームページ:https://touch.pixiv.net/member.php?id=16336410
作成日時:2017年6月8日 22時