花吐く蕾２【伏見臣】

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「臣くん、臣くんっ…、ぐすっ…臣、くんっ…！」





　いるはずもない彼に助けを求め続けて、涙を流す。いつまでこれを続けていれば、ここから出られるのだろう。もしくは、永遠に終わらないのか。





「臣くん、迎えに来て、臣くん」





　自分から死を選んだのに、結局は臣くんに助けを求めている。矛盾した言葉にも気づかないほど、今は心が恐怖に支配されていた。





　もしかしたら目の前にいるんじゃないか、なんて馬鹿なことを考えて、伸ばした手が空を掻く。





　それが駄目だった。





「う……うわあああああああああああっ……！！！！」





　思考回路が馬鹿になって、何も考えられなくなって、心は恐怖で満たされた。どれだけ名前を呼んでも、臣くんには届かない。





　頭を抱えて、泣き叫んだ。





「臣くん！！！臣くんっ……怖いよ、助けてよ…」









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『A』









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　ついに幻聴まで起こしたのかと思った。





『A……だ。….…きだ』





　だんだんと大きく、はっきりと聞こえてくる大好きな声に顔を上げる。





「臣くん」





　暗い部屋にだんだんと光が射す。





「臣くん？どこ、どこにいるの」





　光が差してもなお何もない部屋をぐるりと見回した。









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『好きだ、A、大好きだ』

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