60 ページ16
寮に来た頃とは打って変わって痩せこけた肌に駆け寄って、頬に触れた。喉からは苦しそうなヒューヒューという息の音がする。
なんでこんなになってしまうまで放っておいたのだろう。なんで相談してくれなかったのだろう。
…あ、俺がフッたからか。
悲しさと悔しさをどうすることもできず、Aの折れそうな手をきゅっと握る。
「救急車、呼んできたよ」
東さんの小さくもよく通る声がした。
監督がありがとう、と呟くと、突然太一が声をあげた。
「俺っち…何も、知ってたのに何も…っ、死んでほしくないっス、まだ話したいこといっぱいあるんスよぉ……!」
堰を切ったように号泣し始める様子に、皆が驚いて太一を見た。
「死ぬって…太一くん、そんな大げさな…」
戸惑ったように監督が言う。正直、俺も死ぬとは大げさすぎると思った。
「だって死んじゃうんスよね!?最後には花が真っ白になって死んじゃうんスよね!?どう見たって真っ白じゃないっスか!!!」
最後には花が真っ白になって死ぬ?それは確か、椋が言っていた…
,
,
,
つまり、それは。
俺のせいか?
足元を見つめたまま、Aの手を強く握りしめた。
419人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
昴(プロフ) - 久しぶりに号泣しながら読んでしまった夢小説でした。臣くんが大好きな夢女子なのですが本当に素敵な作品でした…!!! (2018年10月23日 3時) (レス) id: 3439a22a83 (このIDを非表示/違反報告)
蜂蜜れもん(プロフ) - 久しぶりに神小説に出会いました。臣くん激推しとしてはもうキュンキュンが止まりませんでした。素敵な小説をありがとうございます。 (2018年9月2日 10時) (レス) id: 4ab99102e5 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても素敵な作品でした。キャラに違和感を感じることもなく、お話もとても面白くて、読みふけってしまいました笑臣くんの作品は少ないのでとても感謝です!ミカエルのお話も楽しみです!素敵な作品をありがとうございます文字数が足りません (2017年12月2日 12時) (レス) id: da1c726ffb (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 完結おめでとうございます!いつも楽しみに見ていました!最高でした!!!次回作もとても楽しみです応援しています!花吐く蕾に出会えて良かったです!!!終わってしまったかと思うと寂しいです、 素敵な作品をありがとうございました!!!!!! (2017年7月1日 12時) (レス) id: 6cf0ec161e (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - はじめまして! 完結おめでとうございます!!次の作品もとっても楽しみです…!応援してます!!!!素敵な作品をありがとうございました!! (2017年7月1日 10時) (レス) id: 408fdb951b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さくの | 作者ホームページ:https://touch.pixiv.net/member.php?id=16336410
作成日時:2017年6月8日 22時