白球に思いを込めて【エリック】 ページ9
〜エリックside〜
顔から汗が滴る。グラウンドには陽炎がゆらり揺らめいて俺の視界を邪魔している。
負けるな。負けてたまるか。力の限りを振り絞り走る。届け、届け。飛んできた白球で陽炎をかき消すようにホームベースへと投げた。
*
「エリ〜？いる〜？」
庭でバットを振っていると玄関の方から呑気な声が聞こえる。ガチャリと音がしたのできっと勝手に入ったのだろう。バットを置いてリビングの大きい窓ガラスを開けると、案の定Aヌナが居た。
「ヌナいい加減不法侵入だよ」
「いーのいーの！あんたのお母さんにもお父さんにも言ってあるんだから」
そう言ってソファーにどかりと座り込むヌナは相変わらずの様子だ。Aヌナは近所に住む俺の友達の姉で、ほぼ幼馴染のように育ってきた。家族一緒のバーベキュー、夏になったら海。あれだけ面倒くさかった雪かきもヌナが玄関で呼んでくれたら急いで一階に下りて行った。そんな仲良しな関係だったけど、ヌナは県外の大学、俺は部活動の野球でお互い忙しく会うのは久しぶりだった。
「エリガ、背伸びたんじゃない？」
「野球部の中じゃ小さい方なんだよこれ」
そういうヌナは可愛くなった、なんて言えるわけがない。姉ちゃんからAヌナに彼氏ができたって聞いたのはいつだったっけ。緩くカールしたまつ毛も折れそうなくらい細い手首の上で存在感を放つブレスレットもきっと俺の知らない人とヌナだけのものだ。そう思うと悔しかった。ヌナを一番知っているのは俺だ、ヌナのことを取られたくない。でもヌナは、俺のことをただの弟としてしか見ていないから。
「はー、ヌナ。人の家で男とふたりっきりなんて彼氏さんに知られたら怒られちゃうよ」
いじわるで言ったつもりなのにヌナの顔は途端に曇り、もう別れたの、と呟いた。
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どうも更新頻度が遅くてすみません…なるべく早く仕上げたいです！
このエリックは甲子園見てたら思いつきました。夏はやっぱり甲子園でイケメン探しをするに限ります(最悪)
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さやん(プロフ) - 瀬名さん» ニコニコできたなら幸いです💗 これからもどうかよろしくお願いします😉 (9月6日 9時) (
レス) id: b2c4f83929 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名(プロフ) - リクエストに応えてくださりありがとうございますT^T終始読みながらニコニコしてました、、、幸せに満たされてます❤︎これからも主様の活動応援させていただきます🐿️🩷 (9月6日 0時) (レス) @page28 id: efee05d507 (このIDを非表示/違反報告)
さやん(プロフ) - みかんさん» こちらこそリクエストしてくださりありがとうございました！！(`･∀･)ﾉ (9月1日 20時) (レス) id: b2c4f83929 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - ジュヨンくんの話書いてくださってありがとうございました！めっちゃうれしかったです🥹 (9月1日 17時) (レス) @page27 id: 1ba64abe69 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名(プロフ) - いつもステキな作品をありがとうございます🩷どのお話もきゅんきゅんしたり感情移入せずにはいられないほど大好きです🩷お時間ありましたらキューくんのお話お願いしたいですT^T (9月1日 15時) (レス) @page24 id: efee05d507 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さやん | 作成日時：2023年7月16日 2時
