3 ページ39
ドックランでヨンフンとばったり会って以来、予定を合わせては一緒にドックランに行くようになった。ヨンフンと話す時間が楽しくて毎回楽しみにしている自分がいた。
「今日で春休みも終わるね」
桜の花が散っている。咲くのが早かった分、散るのも早いのだろう。
「そうだね。俺らもう三年生だよ。受験生になるの実感湧かないな」
「本当だよね。この間入学したばっかだと思ったのに」
「それは大袈裟でしょ」
「そう？私の体感はそんな感じだよ」
入学して、ヨンフンに出会って、犬を飼っているという共通点で仲良くなって、進級する際のクラス替えでも同じクラスになって…振り返ってみると私の横には、ずっとヨンフンが居た。傍に居て楽しませてくれるし一緒にいると心地いい。
「卒業したくないなぁ。今のままずっと居たい」
「俺もAと離れたくない」
「え？」
風に攫われそうな静かな声だけど、はっきりと言った。私と離れたくない、って。
「ヨンフン？」
「Aのことがずっと好きだった。ボリとラオンを口実にAと二人っきりで会えるのが嬉しくて。でも、休みが終わったらまた友達の一人になっちゃうだろ。その前にこの気持ちを伝えたかった」
「付き合ってくれませんか」
初めてみるヨンフンの真剣な表情が本気だということを示している。突然すぎて頭が追い付かなかった。ヨンフンが、私に告白したの？
「ありがとう…でもごめん、ちょっと考えさせて」
「A、」
ヨンフンの声を聞かないふりしてラオンを連れてドックランを出た。しばらく走ってから冷静になった頭で考える。考えたら解決することなんかじゃないけど。ラオンが腕の中で不思議そうに私の顔を見つめてくる。
「どうしよう、」
ラオンはかわいらしく首を傾げるだけだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 36人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さやん(プロフ) - 瀬名さん» ニコニコできたなら幸いです💗 これからもどうかよろしくお願いします😉 (9月6日 9時) (
レス) id: b2c4f83929 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名(プロフ) - リクエストに応えてくださりありがとうございますT^T終始読みながらニコニコしてました、、、幸せに満たされてます❤︎これからも主様の活動応援させていただきます🐿️🩷 (9月6日 0時) (レス) @page28 id: efee05d507 (このIDを非表示/違反報告)
さやん(プロフ) - みかんさん» こちらこそリクエストしてくださりありがとうございました！！(`･∀･)ﾉ (9月1日 20時) (レス) id: b2c4f83929 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - ジュヨンくんの話書いてくださってありがとうございました！めっちゃうれしかったです🥹 (9月1日 17時) (レス) @page27 id: 1ba64abe69 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名(プロフ) - いつもステキな作品をありがとうございます🩷どのお話もきゅんきゅんしたり感情移入せずにはいられないほど大好きです🩷お時間ありましたらキューくんのお話お願いしたいですT^T (9月1日 15時) (レス) @page24 id: efee05d507 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さやん | 作成日時：2023年7月16日 2時
