2 ページ38
ヨンフンと出会ったのは、高校の入学式だった。たまたま席が隣で「俺キムヨンフン。よろしくね」と爽やかな笑顔で言われたときは胡散臭い人だと思ったけれど、家に帰ってヨンフンのインスタを見ていたらボリと書かれたハイライトにたくさんの犬の写真、動画とそれを溺愛するヨンフンで溢れかえっていて、印象が一気に変わった。と言うのも私も超が付くほどの犬好きで、もちろんラオンも既に飼っていたから共感する所が多く、早くヨンフンに会って語りたいという気持ちでいっぱいになった。それからはお互い愛犬の写真を見せたり、家での様子を話したりと仲良くなっていった。
「ヨンフンじゃん！今春休みだから顔忘れちゃった」
「待って今さらっと酷いこと言ったよね？まあいいけど…Aもここ調べてきたの？」
「私は家が近いから散歩がてら来てみたの。あ、ラオン帰って来た」
茶色と白が完璧な配分の毛を靡かせてラオンが足元に駆け寄ってくる。
「ラオン〜〜〜お利口さんだねぇ〜〜〜」
「ぶっ」
「今笑った？」
「いや、俺もそうやってボリに話しかけるからさ。なんか自分のこと見てるみたいで面白くて。」
ヨンフンが横に屈んできてラオンを撫でる。初対面の人にも物怖じしないラオンは大人しく頭を撫でられている。お利口さんと話しかけているのを見ると、さっきヨンフンが言ったように自分を見ているみたいだった。
「なんか、似てるね」
「何が？」
「私達、わんちゃん前にするとおんなじ反応してる」
「はは、犬好き同士だしね」
ヨンフンが立ち上がり、ボリを呼ぶとふわふわの耳を揺らして走ってくる。
「ボリ〜〜いいこだ〜〜」
学校でも馬鹿やっているしよく笑う明るいヨンフンだけど、こんなに砕けた感じなのはあまり見たことがなかった。もしかしてこれって、私だけの特権かな、なんて。
…ああ、何考えてるんだろ、私。
「お！よく見たら、ラオンとボリ同じ首輪してるじゃん！」
ボリの首元を見ると、水色のギンガムチェックにリボンが付いた首輪をしていた。ラオンはこの首輪がお気に入りで、他にも首輪はあるのにいつもリボンの首輪をつけたがる。
「ほんとだ。よく気付いたね。」
「なんか見たことあるなって思ったんだよ。おそろいだね。」
よかったね〜と笑うヨンフンはやっぱりいつも見ている彼とは違くて、何故かドキドキした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 36人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さやん(プロフ) - 瀬名さん» ニコニコできたなら幸いです💗 これからもどうかよろしくお願いします😉 (9月6日 9時) (
レス) id: b2c4f83929 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名(プロフ) - リクエストに応えてくださりありがとうございますT^T終始読みながらニコニコしてました、、、幸せに満たされてます❤︎これからも主様の活動応援させていただきます🐿️🩷 (9月6日 0時) (レス) @page28 id: efee05d507 (このIDを非表示/違反報告)
さやん(プロフ) - みかんさん» こちらこそリクエストしてくださりありがとうございました！！(`･∀･)ﾉ (9月1日 20時) (レス) id: b2c4f83929 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - ジュヨンくんの話書いてくださってありがとうございました！めっちゃうれしかったです🥹 (9月1日 17時) (レス) @page27 id: 1ba64abe69 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名(プロフ) - いつもステキな作品をありがとうございます🩷どのお話もきゅんきゅんしたり感情移入せずにはいられないほど大好きです🩷お時間ありましたらキューくんのお話お願いしたいですT^T (9月1日 15時) (レス) @page24 id: efee05d507 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さやん | 作成日時：2023年7月16日 2時
