検索窓
今日:15 hit、昨日:42 hit、合計:8,848 hit

春を見つけに【サンヨン】 ページ32

夏といえばのサンヨン先輩との過去の話です。特に繋がってる訳では無いのですが…(え?)

春風と言うにふさわしい生暖かい風が後ろから吹いてくる。人混みにまみれながら改札の方面を見失わないように歩く。住み慣れた地元を離れやって来た都会はファッションも食べ物も流行の最先端で道行く人達は皆洗練されたスタイルを着こなしている。暇を潰すような場所は腐るほどあるし地元にいたら絶対経験できないことをできると思うと心が高鳴って、足取りも軽かった。そう思ってた。それが私の4月。

「はぁ、」

誰に聞かれることもないため息が暗くなった空に消えていく。大学に併設している図書館を出て地下鉄に繋がる階段を降りていく。毎日出される課題、田舎には無い満員電車、少し歩幅が会わないだけでため息をついて抜かしていく冷たい人達。上京当初の「キラキラした」気持ちはとうに消えていて、これが現実なのかと思うと背中に重りを乗せられているような気分だった。まだ始まって1ヶ月なのになんて思われるかもしれないけれどむしろ1ヶ月よく生きてきたと思う。自分を褒めてあげたいくらいだった。大学の友人達と私の当たり前の価値観は全く違くて話を聞くだけでも精一杯でまだ気のおける友達は居なかった。現にこうして一人寂しく地下鉄への道を歩いているのが紛れもない事実だった。

大学への道を少し早歩きで進む。一限から授業があるにも関わらず寝坊をした私は駅から無我夢中でダッシュしその勢いのまま急いでエレベーターに乗り込もうとしたがギリギリで閉まってしまう。

「乗りますか?」

優しい声がして顔を上げるとエレベーターのボタンを押したまま待っててくれていた。私が走ってきてるのが見えて開けてくれたのか、とにかく必死だった私はその人に感謝して乗り込んだ。見たことない顔だからきっと先輩だろう。
エレベーターの中は少し人が多くてその先輩と横並びになった。スっと伸びた綺麗な鼻筋とくっきりした二重で美形だな、とぼんやりみつめてしまった。これが私とサンヨン先輩の初めての出会いだった。

2→←こんにちは!



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (19 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
36人がお気に入り
設定タグ:THEBOYZ , kpop , ドボイズ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

さやん(プロフ) - 瀬名さん» ニコニコできたなら幸いです💗 これからもどうかよろしくお願いします😉 (9月6日 9時) (レス) id: b2c4f83929 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名(プロフ) - リクエストに応えてくださりありがとうございますT^T終始読みながらニコニコしてました、、、幸せに満たされてます❤︎これからも主様の活動応援させていただきます🐿️🩷 (9月6日 0時) (レス) @page28 id: efee05d507 (このIDを非表示/違反報告)
さやん(プロフ) - みかんさん» こちらこそリクエストしてくださりありがとうございました!!(`・∀・)ノ (9月1日 20時) (レス) id: b2c4f83929 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - ジュヨンくんの話書いてくださってありがとうございました!めっちゃうれしかったです🥹 (9月1日 17時) (レス) @page27 id: 1ba64abe69 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名(プロフ) - いつもステキな作品をありがとうございます🩷どのお話もきゅんきゅんしたり感情移入せずにはいられないほど大好きです🩷お時間ありましたらキューくんのお話お願いしたいですT^T (9月1日 15時) (レス) @page24 id: efee05d507 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:さやん | 作成日時:2023年7月16日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。