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大会の一週間前、部活の帰り道でばったりAヌナに会った。それこそ、土にまみれたユニフォームを着たまま会ったから少し恥ずかしかったけど。
「エリガ部活帰り？」
「おう。あのさ、ヌナ、来週野球の大会があるんだけど」
「うん」
「俺レギュラー入りしてて、レフト守ってんの」
「すごいじゃん」
にいっと笑ったヌナの顔が夕日で照らされる。小学校の時から見ていた、変わらない、ヌナの太陽みたいな笑顔だった。
「Aヌナ、俺の試合、見に来てほしい」
「へー。出世したね、エリガ。見に行こうかな。」
「俺のスーパープレイ見といてよ」
見に来てくれることが嬉しくてつい冗談を口走ったが、ヌナはスーパープレイがあんたにできるわけないでしょとけらけら笑っていた。ああ、よかった、俺の知っているヌナだ。俺の大好きなヌナだ。
*
大会当日。今日は最高気温になるからと姉ちゃんが持たせてくれた凍ったペットボトルに入ったポカリが溶け始めている。そのくらい暑い日だった。
「エリガ!倒れんなよ!!」
「お前の姉ちゃん相変わらず元気だな」
応援席から響く声はどう聞いても姉ちゃんの声でうるせー、と思ったがその声を辿れば簡単にAヌナを見つけることができたから少し感謝した。
「プレイボール!!!!」
炎天下の太陽の下掛け声と共に試合が始まる。応援席からはたくさんの歓声とクラッカーの音が鳴り響いていて鼓動が早くなるのに今日はヌナがいると思うといつもより緊張してホームベースがずっと遠くに見える気がした。大きく舞い上がったボールはほぼホームランだったが俺のグラブにすっぽりと収まった。湧き上がる歓声を背に受けながらボールを掴んでホームへと投げる。今、レフトとしての役割を全うしたことがグラブ越しにジンジンとする右手から実感した。だけど相手は前回の優勝チームだ。強力打線に勝ち越しを許され、点を取り返せず最終回を迎えた。大丈夫だ。俺ならできる。心にそう言い聞かせて外野に走り出す。すぅと息を吸い込んでからアルプススタンドを見ると、陽炎のむこうに手をぎゅっと握り応援するAヌナが見えた。
ヌナ、俺の事見てて。ふと、目が合ったような気がしてやる気がみなぎる。ゆらめく陽炎の向こうにヌナが見えたように、内野が、マウンドが、ピッチャーが見える。大丈夫だと再度言い聞かせるように胸を叩いて走り出した。
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さやん(プロフ) - 瀬名さん» ニコニコできたなら幸いです💗 これからもどうかよろしくお願いします😉 (9月6日 9時) (
レス) id: b2c4f83929 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名(プロフ) - リクエストに応えてくださりありがとうございますT^T終始読みながらニコニコしてました、、、幸せに満たされてます❤︎これからも主様の活動応援させていただきます🐿️🩷 (9月6日 0時) (レス) @page28 id: efee05d507 (このIDを非表示/違反報告)
さやん(プロフ) - みかんさん» こちらこそリクエストしてくださりありがとうございました！！(`･∀･)ﾉ (9月1日 20時) (レス) id: b2c4f83929 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - ジュヨンくんの話書いてくださってありがとうございました！めっちゃうれしかったです🥹 (9月1日 17時) (レス) @page27 id: 1ba64abe69 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名(プロフ) - いつもステキな作品をありがとうございます🩷どのお話もきゅんきゅんしたり感情移入せずにはいられないほど大好きです🩷お時間ありましたらキューくんのお話お願いしたいですT^T (9月1日 15時) (レス) @page24 id: efee05d507 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さやん | 作成日時：2023年7月16日 2時
