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『……れん、あの、』
「俺には何も言わんと東京、行くんや？」
『っ、ちがう、』
「なんで？俺はお前の特別じゃなかったん？
アイツか？アイツがおるから俺はもういらんの？」
『え、待って、なんの話、』
「っ、なんで今になって言うねん！！バレエ頑張れへんとか、辛いとか……、もっとはよ言えや！！」
怒っているのに悲しそうで
やっぱり泣きそうな顔で声を荒げる廉に
何も言えなくなってしまう。
『……、』
「俺、言うたやんな？しんどなったら言えよって。
なんで言わんの？アイツに全部相談するから？」
『…あいつって誰？』
「っはぁ！？さっきおったアイツやん！」
『…え、紫耀くん？』
「…は？」
『…ん？』
紫耀くんの名前を出した途端
苦虫を噛み潰したような顔をして
フイっと目を逸らす。
一段と冷たくなる、廉の空気。
「……もうええわ。…よーわかった。」
『…なに？』
「俺は必死やったで。
Aが、夢見失わんように前に立ってなって。
ずっとずっと、必死やった。
一緒に頑張ろうって約束、したから。
やのに、お前は勝手に、っ、……なんでそっち？」
私を見る廉の視線は
尖った氷のように鋭くて
また、私の中の何かが熱を失う
『……れん、ごめんね、』
「もうええわ。喋んな。………はぁ、…しんど。」
『……、』
廉は下を向いて、黙ってテーピングの続きを始めた。
纏う空気は冷たくて、悲しそうで
すごく怒ってるはずなのに
私に触れる手はやっぱりあったかくて、優しくて
瞳が揺れて、じわりと視界が潤む。
涙は、溢れる寸前。
でも、泣いちゃいけない
心が痛いのは、きっと廉の方。
.
「…お前のこと、もっと子供やと思ってたわ。」
『……え？』
「…………はぁ。…ほんまいつの間に、」
『……、』
.
……そっか、私、大人になったのか。
大人になったから
ずっと廉が眩しくて
羨ましくて。
苦しくて。
廉の"大丈夫"が
今日は悲しく思えて。
…そっか。
大人になるって
こんなに辛いんだ。
.
『……れんはさ、』
「？」
『れんは、大人になっちゃだめだよ？』
「っ、」
.
廉はそのままの眩しい廉でいてね。
ずっと私の大好きな廉でいてね。
『ほんとにごめんね。ずっと、応援してるから。』
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ayuha(プロフ) - のりさん» こちらこそありがとうございます(^^)続編も是非読んで下さいね♪ (2020年6月14日 21時) (
レス) id: 3d6cda5c80 (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - お返事ありがとうございます。更新楽しみにしてました。こちらもありがとうございます。 (2020年6月7日 23時) (レス) id: b83e04c731 (このIDを非表示/違反報告)
ayuha(プロフ) - のりさん» 初めまして！コメントありがとうございます(*^^*)感情移入して頂けるなんてすごく光栄です！引き続きお楽しみ頂けるようがんばります(・ω・´) (2020年6月7日 21時) (レス) id: 3d6cda5c80 (このIDを非表示/違反報告)
ayuha(プロフ) - はるまきさん» と、いうことでまた再会出来ました♪やっと抜け出せてたー！(途中、どうしても甘が書きたくて魅惑の〜、に逃げました笑)マスク、しんどいですよね( ´Д`)日常が恋しいです… (2020年6月7日 21時) (レス) id: 3d6cda5c80 (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - 初めまして。タイトルに惹かれ一気に読ませていただきました。感情移入して涙が出ちゃいました。お互いに思い七年後に偶然にも会うなんて。どんなお話になるのか更新楽しみにしています。 (2020年6月7日 6時) (レス) id: b83e04c731 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayuha
| 作成日時：2020年5月28日 2時
