金曜日の魔法使い

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.A side









悩んでいる間に、2月になった。

もうすぐ、バレンタインだ。




『……はぁ。』



今日、少し早いけどって、廉に渡そうと準備したお菓子を家で眺めていた。






〜♪


突然鳴った着信音にスマホを見ると

そこには思いがけない名前





紫耀、くん…？





『もしもし？』


「あ、A？久しぶり！急にごめんね！今平気？」


『うん、大丈夫だけど』


「今、マネージャーと大阪来てるって言ったでしょ？
撮影先でバレンタイン近いからってお菓子、たくさん貰っちゃってさー」


『ふふっ、そんなに貰ったの？流石だね』


「そうなんだよ〜、生菓子とかもあってさ。
　あ、Aが好きって言ってたお店のもあるよ！
　でね、Aの地元、こっから多分近いから…
　お菓子、ちょっと貰ってくれない？」


『え？いいの？、じゃあ私、近くまで出ようか？』


「大丈夫！俺、車だから行くよ！もう暗くなるしさ、
　ちゃんとお家にいて？」


「いや、来てもらうなんて申し訳ないよ、」


「申し訳なくないよ！
　マネージャーが運転してくれるから！笑
　…だからちょっと行っても平気？」


『…んー、じゃあ、お願いちゃおうかな』


「ほんと！助かる！じゃあ住所、教えね！また近くになったら連絡入れるね〜」






.






……お菓子貰うのに、来てもらうなんて悪いなぁ…

紫耀くんは相変わらず優しいな。

ふふっ、楽しみだな〜、何時くらいになるんだろう。

あ、れん、一旦うちに来てもらおうかな。



あ！！そうだ！

紫耀くんとマネージャーさんにもバレンタイン、先に渡しちゃおうかな。



……でもお菓子貰ってまた、お菓子、渡す？？

いや、気持ちだよね。気持ちが大事だよね！うん！




なんて考えて、準備して紫耀くんと廉を待っていた。







.







「もう着くよ！」





先に連絡が来たのは紫耀くんだった。



外に出て待っていると、程なくして黒い車が家の前に止まった。









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