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息を切らして病院に着くと、
病院のバス停のベンチに小さく見える幼馴染の姿。
『A!!』
俺に気づいたAは、こっちに駆け寄ってくる
…あ、勢いでめっちゃ叫んでもた。
なんか、恥ず。なんてごまかそ、
なんて、思ってたのに
Aは、そのままチャリに跨ってる俺の首に腕を回して
「…っ、れん、」
涙混じりの声で俺の名前を呼ぶ。
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一緒や。
Aのおっちゃんが亡くなったときと、一緒や。
また、一人で抱えて……
アホやなぁ。
……俺もアホや。
もっと、早く連絡すればよかった。
Aは、ずっと……
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『…ごめんな、遅なった。』
右手をAの背中に回し、抱き締めた。
フルフルと首を振る彼女。
いつもはきつく束ねられている髪が下されていて
こんな時やのに、風に香る度に
いい匂いやな。
なんて思ってしまう俺は最低なんかな。
やけど、久しぶりに感じた彼女の体温が近くて
俺の鼓動は加速する一方。
愛おしさがやばい。
まだガチガチに固まっているAの心を安心させるように
『…大丈夫やで。もう大丈夫。』
出来るだけ、優しく背中をさすった。
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「…っ、ごめん、ごめんね。」
暫くすると、ハッとしたAが、急に離れようとするから、
とっさにぎゅっと力を込める。
『…ええから、無理すんな。』
「………でも、人。…見てる。」
!!!
『あ、』
慌ててAを離す。
忘れとった。ここ、病院の前やん
普通に人、通るやん
しかも俺、部活帰り。
めっちゃ汗臭かったかも
…………しくった。
『…悪い。』
「………ふふふっ、」
まあ、ええか。
Aが、また笑ったから。
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ayuha(プロフ) - のりさん» こちらこそありがとうございます(^^)続編も是非読んで下さいね♪ (2020年6月14日 21時) (レス) id: 3d6cda5c80 (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - お返事ありがとうございます。更新楽しみにしてました。こちらもありがとうございます。 (2020年6月7日 23時) (レス) id: b83e04c731 (このIDを非表示/違反報告)
ayuha(プロフ) - のりさん» 初めまして!コメントありがとうございます(*^^*)感情移入して頂けるなんてすごく光栄です!引き続きお楽しみ頂けるようがんばります(・ω・´) (2020年6月7日 21時) (レス) id: 3d6cda5c80 (このIDを非表示/違反報告)
ayuha(プロフ) - はるまきさん» と、いうことでまた再会出来ました♪やっと抜け出せてたー!(途中、どうしても甘が書きたくて魅惑の〜、に逃げました笑)マスク、しんどいですよね( ´Д`)日常が恋しいです… (2020年6月7日 21時) (レス) id: 3d6cda5c80 (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - 初めまして。タイトルに惹かれ一気に読ませていただきました。感情移入して涙が出ちゃいました。お互いに思い七年後に偶然にも会うなんて。どんなお話になるのか更新楽しみにしています。 (2020年6月7日 6時) (レス) id: b83e04c731 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ayuha | 作成日時:2020年5月28日 2時