My Fancy！-Extra time- 2

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YUTA side









"あ、でも会いたいは会いたいから24時間連絡待ってんね！"





彼女の負担にならない程度に

尚且つ俺の会いたいって気持ちを

上手く伝えたつもりで

あれから１ヶ月、弱。


社内で見かける彼女はいつも忙しそうで

いつもそばには菊池さんがいて…。





『お疲れ様です！』


菊「おーお疲れ」


「……お疲れ様。」





目が合うのは一瞬で、





菊「…でさぁ、次の会議でここの価格帯も…」


「あ、そこももう絞ってるから。」


菊「まじ！？さっすが！んじゃさぁ〜、」





次の瞬間の俺は…

社内でも出来る男と評判の

海外赴任帰りのイケメンな上司と

肩の触れてしまいそうな距離で

ヒールを鳴らして微笑んでいる

愛しい、その人の背中を黙って見ている。





…………今日も頑張ってんのな。俺のA。





ため息の代わりに

彼女の頑張りを胸に刻んで

ため息の代わりに

彼女は俺のだと自分に言い聞かせて

前を向く。





そうやって過ぎた１ヶ月はまじで長くて。


だけど、俺は俺でAに…菊池さんに…

少しでも肩を並べられるようになりたくて

Aに見合う男であらねばと自分を律して

無我夢中で仕事に勤しんで、

有難いことにそれなりに結果がついてきて

それなりに充実している超A不足の毎日。





あーーー

今日、家行っちゃおっかな！？





会食帰りのアルコールに侵された頭で何度そう思っただろう。

初めの頃は躊躇いなく押せていた通話ボタンも

どんどん簡素になっていくメッセージのやりとりに





……今、忙しいよな。





なんて思い直して彼女のページを閉じるようになった。





Aが選ばれた新規事業の特別プロジェクト、

とやらは社長の肝煎り案件だそうで。

社内で耳にするその話題は、

どれも羨望と期待に満ちたものばかりで。


いつだって仕事に手を抜かない彼女は

こんな状況に、いつもの冷たい顔のまま

誰よりも躍起に必死に働いているに違いない。


そんなAのことを思うと、

やっぱりちゃんと応援したい気持ちが勝って

邪魔しちゃだめだよな、って

彼女の"会いたい"をただひたすら待っていた。





だけど、それが間違っていたのかな。








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