My Fancy！-Extra time- 2

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『…………なんでしょう？』


「お前さ…今日、ほんと大丈夫？」


『え？』


「俺２回呼んだよ？」


『…すみません、』


「……目、すげぇ血走ってるけど？」





屈んで、至近距離で私の瞳を覗き込む風磨くん。





『っ、……近い。』


「あ、照れた？ごめんごめん！」


『は？照れてません。』





慌てて肩を押すと、ケラケラと笑いながら

"ん、差し入れ"…って

持っていた二つの袋を差し出してくれた。


なかに入っていたのは

私の好きなコーヒーショップのコーヒーと、

近くのパン屋さんのメロンパンと、栄養ドリンク。





『……ありがとうございます。』


「とりあえずさ、それ食って頑張ってよ」


『うん。……ありがとう。』


「ふはっ、…なに？素直じゃん。そんな弱ってんの？」


『別に？お腹空いてるから嬉しいだけ。』


「あっそ。それはよかったでーす」





コーヒーをこく、っと口に含んで心を沈める。





『………はぁ。』





邪念を払って

今度こそ、仕事に取り掛かった。





「…………そんな大事な用だった？」


『え？』





暫くオフィスの物音だけだった空間に

小さな、独り言のような上司の声。


顔をやると、口元で両手を組んで頬杖をついた

やっぱり怪訝な表情の風磨くん。





『今なんて言いました？』


「……や、今日、大事な予定あったのかなーって」


『………あー。…………ううん、…別に。』


「いやほら、お前が珍しく定時で上がりたいとか言うからさぁ…」


『そりゃあね、私だってゆっくりしたくもなりますから。』


「にしてもさぁ…、」


『……なに？』


「………………いや、やっぱいい。」


『え。気持ち悪い。』


「ふはっ、…言うねぇ〜。…まぁ残業…と、アイツのこと。頼むね。ウチの中間管理職ってことでさ」


『わかってます。だから今、目、血走しらせてるんでしょ。』


「ははっ！俺のために？悪いねー？」


『ほんとにね？まぁ上司を満足させるのが中間管理職の仕事ですから。』


「ははっ…その目も冷てー目もやっぱ好きだわ」


『それは光栄です』





顎を触りながらニヤニヤとバカみたいなことを言うから

冷たくにっこり笑って聞き流して

資料を漁ってキーボードを叩く作業に戻った。









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