My Fancy！-Extra time- 2

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YOU side









"今日夜行っていい？遅くなるけど。"

"いいけど。接待なくなったの？"

"あるけど。Aに確認することあんの"





そんなやりとりをした終業前。

優太が遅くにうちに来たいだなんて

多分、初めてのことで。


…確認ってなに？

…あ…もしかして香水？

誰かに何か言われた…とか？

やっぱり調子に乗りすぎちゃったかな。


なんて、少しソワソワと、彼の帰りを待っていた。





駅に着いたって連絡があって数分後、

エントランスのインターホンが鳴って

玄関ドアのインターホンが鳴って…

静かなままの部屋。


……なに？開けろってこと？

鍵、持ってるんだから勝手に入ってくればいいのに。面倒くさ。


ため息を吐きつつ立ち上がって、インターホンのロック解除ボタンを押す。





「たっだいま〜！！」


『！！、』


「あれ？A〜！！ただいまーっ！！」





リビングまで響く大きなその声に、慌てて玄関へ向かった。





『もう、なに？』


「なにじゃなくて、ただいま！」


『………おかえり？』


「もお〜なんで"？"付けんだよ！てかさぁードアの前でAが出迎えてくれんの待ってたのにさ〜」





ぶつぶつと文句を言いながら靴を脱ぎ揃える優太。





……酔ってる？





『ねぇ…大丈夫？、わっ、』





顔を覗き込むと、瞬時にぎゅうーって

きつく抱き締められる。


私の香水の残り香に混じる、いつもより強い

お酒の香り。





「……なぁ。ただいまって言うの…駄目だった？」


『え？、………だめじゃないけど、』


「うっそ！！ほんとにっ！？」


『…え。』


「じゃーこれからは“ただいま”って言う！！」


『……うん？』





よくわからないテンションの優太に

よくわからないまま頷くと

すごく満足そうに笑って、私の頬に軽く口付けて

そのまま意気揚々と廊下を進んでいく。





………うん、酔ってるね。





追いかけるようにリビングに入ると

案の定ソファにふにゃふにゃと倒れ込む優太。





『ちょっと！お風呂入って！絶対寝ちゃう！』


「えー大丈夫だって、」


『大丈夫じゃないでしょ？っ、あ！ほら、横になっちゃやだ！』


「もーいいじゃんちょっとくらい〜」





ヘラヘラとしたままの彼を立ち上がらせようと

その手を掴んで、ぐっと引っ張った。





『よくないから！ねぇ優…っ、きゃあぁっ！』







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