My Fancy！-Extra time- 2

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『そういえばなんで寝袋で寝てたの？』


「ん？Aがソファで寝ちゃったから丁度いいと思って！」


『…え？』





クローゼットから、会社に着ていく洋服を数着選んで

綺麗なままのベッドに並べて、ふと思い出した疑問。



…質問したのに謎が深まるってなに？



こんなチグハグな会話も久しぶりで楽しくて

クスクスと彼を見る。


上半身裸で、シャワー上がりの濡れた髪を

タオルでガシガシとしていた優太と目が合うと

その手を止めて、困ったような顔をして



ちゅ。…って。



腕を引き寄せられて、久しぶりの口付け。

そのまま腰に腕が回って

熱っぽい視線が交われば、また自然と距離が縮まって

今度は数回、掬い取られる唇。


濡れた前髪が私を掠れて

手を置いた逞しい胸元はまだ湿っぽい。


朝からドキドキするには揃いすぎたこの状況に

欲が湧かない訳がない。

だけど、そんな時間、ある訳もなくて…

弱々しい力で厚い胸板を押す。





『っ、ん………もう…早く準備しなきゃ。』


「……ちゅ。」


『ん、……ねぇゆう、』

「足りね。」


『っ、…、』





降り注ぎ続ける口付けに胸はキュンと苦しくて

強く掻き抱かれる背中の感覚も



「……っA、」



余裕のない声で呼ばれる名前の音も

全部、全部。

愛しくて。

だけど…





『っ、ねぇ仕事…っ、遅れちゃう、』





なけなしの理性を繋いで必死に欲を抑え込む。





「……………はぁーーー無理。今日仕事休む。」


『何言ってんの？嫌いになるよ？』


「絶対行く。」


『ふふっ』





ぎゅうっと私を抱きしめて、首元に顔を埋めて

暫く項を垂れていた優太。





「……あ。服、どっち着んの？」


『ん？、あー…上どっちにしよっかなって』





紫紺色の長めのスカートに

ベージュのニットか黒のタートルか。





「黒にして」


『え？…！やっ、』





がっちりと回され直す腕の力に相反して

遠慮がちに、小さく痛みの走る鎖骨の辺り。





「……絶対見えないけど……一応、ね？」





少し赤く染まったであろう部分をそっと撫でて

機嫌を伺うように私を覗く優太は、さっきあんな目で


"足りね。"


なんて言ってた人と本当に同じ人なのかなって

可笑しくなってしまう。





『……もう。』





一応、怒ったふりをするけれど

ごめんねって満足そうに笑う彼に

やっぱり頬を緩ませてしまう私。







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