My Fancy！-Extra time- 2

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『……ぅん、…？』





寝返りが上手く出来ず、パチリと目を開けると

どうやらソファで眠ってしまっていたことに気付く。


部屋の時計はもう夜明けの数字を指していて

ちらりとソファの下に目をやると

何故か寝袋に包まって気持ちよさそうに眠る私の彼。





………なんで？

寝袋。どうしたの？

うち…ベッドあるんだけど。





『……………変な人。』





身体を起こし、掛けてくれていた毛布とブランケットを畳んで

そーっとリビングを出た。


バスルームに入って気付いたのは、彼が昨日

私のためにお風呂を沸かしておいてくれたこと。


冷め切った湯船が温まるのを待ちながら、

熱いお湯を頭から浴びて、昨日一日を落としていく。


昨日はあのまま優太の胸で涙を流して

そのままソファでぐっすり。

アルコールが入っていたとはいえ、彼の体温に気を許して

お風呂も忘れて朝を迎えてしまうのはこれで2度目。





……一度目のあの日は飲み過ぎて、気分悪くなっちゃって、優太におんぶしてもらったっけ。

ふふっ…そんなこともあったな。





自分がこんなにも誰かに心を許して

泣いたり笑ったり、忙しく感情を変化させて

お風呂にも入らずソファで寝落ちなんかしちゃって


それでも、こんな風に迎える朝も悪くないって

笑えるようになるなんて、思っても見なかったな。


ポカポカとした気持ちで湯船に浸かって

バスルームを後にする。





ーガチャン





『！？、』


「あ、おっはよ！」





廊下に出ると、ちょうど玄関ドアが閉まって

どこからか帰ってきたらしい優太は、後ろに

なにかを隠してニコニコとこちらに近づいてくる。





『……おはよう。…何してるの？』


「ん？あれだよ！お詫び！」


『お詫び？』





……ああ、パンね。メロンパン。

わかっちゃうけど、知らないふり。





「んふふっ、なぁなんだと思う？」


『えーなにかな？あ！クロワッサン？』


「とー………ほらっ！！」





……ほーらね。


『わ！メロンパンだ！！ありがとう〜』


「ははっ！嬉しい？なぁ嬉しい！？びっくりした！？
すっげー頑張って早起きした甲斐あったわ〜！」





あっはは！って、ものすごーく満足そうな彼の背中に

ほんと単純だなぁって呆れて、幸せで。

その腕にぎゅっと抱きついた。









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