My Fancy！-Extra time- 2

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YOU side









仕事がひと息ついて、貰ったコーヒーと一緒に

メロンパンをちぎって談笑していると





「あ、岸？」


『！？』




視線を外した風磨くんが優太の名前を口にして、

くるりと後ろを振り返ると、離れていく後ろ姿。





「……あれ？入って来なかったね？」


『…‥永瀬に用でもあったんじゃない？』


「あー、そっか。」


『…………。』





優太…どうしたのかな。

私に…会いに？

いやいや、さっきあんな態度取っといて…ね。

現に何も言わずに帰っちゃったし。

うん…やっぱり永瀬に何か用があったんだ。





「……気になる？」


『えっ』


「岸。」


『あー。うん、まぁ…』


「岸、お前のこと見てたよ？」


『っ、へ……。』


「ふはっ、なんだよ"へ"って！んな気の抜けた……、
……………A？」





え、

会いに来てくれたの？

……どうしよう。





会いたい。





せっかく頭から振り払ったのに

そんなことされたら

やっぱり会いたいじゃん！ばか！！





『私ちょっとコーヒー買ってきます』


「はっ？……え、おい！」





スマホと財布を手に取って席を立ち

足早にオフィスを出て、スマホのトーク画面を開く。





"今どこ？時間ある？"





言いたいことが頭を駆け回って、廊下の角を曲がって

もう電話しちゃえって通話マークにすっと指が伸びて





「…メロンパン…好き？」





聴き慣れたその声にぴたりと足が止まって

押しかけた通話マークから指を引いた。





数メートル先に見つけたその人の優しい横顔に

たじろいで。

身を隠すように後退りする私。





"これ、よかったら食べる？"

"えっ…いいんですか？……わあぁ！ありがとうございます！"





恐る恐る二人の方へ視線を向けると

優太からコンビニの袋を受け取って

きらきらの笑顔で可愛く笑う女の子と

その子を見ている私の優太。



側から見れば、いい雰囲気にしか見えない二人。



何かを話しながらその二人を振り返る

通りがかりの女子社員。





………あーあ。ばか。

ねえ何してるの？

明日から、"優太とあの子がいい感じなんだ"って。

そういう噂が回っても知らないよ？

知らないからね？

………ふん。





………大丈夫。





ただの噂話。

こんなの、よくあること。

気になんてしない。

こんなのなんてこと…ない。









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