魅惑のレディにプロポーズ

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『…あ！もしね、私のこと、色々調べられたときに、

　恥ずかしくないようにっていうのもあって。』




「……。」




『…まぁ、私、何言われるんだろ、とか、

　周りに迷惑かけないかな、とかも考えるけど…、』




「…そうだよね。…それから？」




それから、




『…不安は、ないわけじゃない、よ？
　
　…っ、でもこの先なんて誰にもわからないでしょ？

　それに私、ずっと何かを不安に思ったり
　
　悩んだりするタイプじゃないしさ！』



"だから、それは平気だよ？"



って、少し笑ってみせた。
　




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"この先"


"不安"





話したくない。悟られたくない。


彼の負担になるのは嫌だから。


だから、ずっと考えていた。





不意に襲う"この先の不安"をどうしようかって




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『私ね、自分がもっと出来ることとか、

　探したり、勉強したり、したいの！

　…ちゃんと、夢を持っていたいっていうか。


　それで、まずは昇任試験かなって！

　あ、次の試験ってね、結構狭き門なんだよ？

　…だから、人よりもたくさん経験が積みたいの。

　語学ももう少し武器にしたいし、』


"もちろん、この仕事が好きだから

　もっと学びたい！って思いが前提だけどね"








なんて、こんな説明が精一杯。


…上手く、言えたかな。







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不安になるよ。





一緒にいて居心地が良くて


幸せだなって思う度に


紫耀くんしか考えられないって思う度に。





だから、同棲なんてしたら

余計にその思いが強くなるんじゃないかって

要らない未来を想像してしまいそうで




怖くて。





私もういい歳なんだよ？

この先どう考えてるの？





なんて、そんな、あけすけな話は出来ない。


わかってる。


そんなこと、求めてないよ。





だからね、


自分のやりたいことを見つけなきゃ。

ちゃんと夢を持ってなきゃ。

いつか私はダメになる。



もし、この選択で紫耀くんと離れることになっても

ここで襲ってくる不安に、ずっと葛藤し続けるより

何も残らなかった未来の自分よりは全然いい。



だから、自分の夢をちゃんと叶えたい。



何があっても、一人でも生きていけるように。








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