sweet sweet sweet 2

sweet dream＜9＞※ ページ9

増田side


くだらない嫉妬だ。
シゲのことをカッコいいと言う手越が
少し気に入らないだけ。



「ねぇ、どうしたの？」



こいつの意見も聞かずに
勝手に行き先を変更して帰ってきてしまった。
俺の中にあるどす黒くて醜い嫉妬は
どうしたら昇華できるだろう。


「手、離して？痛いよ……」


泣きそうになっている手越をソファに投げる。


「あっ……！」


そのまま固まって動けずにいる手越に跨って
上からじっと見下ろす。
怯えきった姿。
目にいっぱい涙を浮かべて。
キスをしようとしたら、顔を背けるから
強引に正面を向かせて唇を奪った。



「ん……ぅ…ふ……」

「……よそ見しないで？俺だけ見てて」


他の誰かをカッコいい、なんて言うな。
お前は俺のものだろ？
目を見開いて首を横に振るのはなんで？


「あっ！いや……！ちょっと待って……」


必死に対抗する身体を力で押さえつける。
服を剥ぎ取るように脱がせて
感情のままに紅い印を付ける。



「やっ！待ってってば……。こんなの、やだ……」

「ま、すださ……いや……。おねがいだから…」



嫌だ、待ってと懇願するのを無視して
何度も無理やり昇りつめさせる。
行為の最中、手越はずっと涙を流していた。
せっかく想いが通じたのに、傷つけるような抱き方をして。
嫌われるかもしれないな……。



「あ、ぁ……、たか、た…かっ……」

「ゆうや……、ごめん。ごめんな…」



お前じゃなきゃ俺はダメなんだって
こんな方法でしか伝えられない。
大切なのに。
愛してるのに。
涙が手越の頬に落ちた。



「だ、い…じょぶ……、あいしてる…」



意識は朦朧としているはずなのに
手越はふんわりと笑って俺の涙を拭ってくれた。



「……っ、ゆうや……っ」

「ひぁっ、あぁぁぁっ……たかぁっ！」



もう何も考えられなくて、無我夢中でゆうやに打ち付けると、
頭が真っ白になって
今まで感じたことのない波が襲ってきた。



「…あっ……あぁ……」



一気に脱力して、ゆうやの身体に覆い被さる。
俺の荒い息遣いだけが聞こえる。
……？
気怠い身体を起こして、ゆうやを見ると
意識を手放したのか眠っていた。



「…ごめんな」



身体に飛び散った欲や涙をタオルで拭いても
起きないゆうやを抱きしめる。
明日起きた時、こいつは笑ってくれるだろうか。
失う覚悟なんて、出来てない。
明日も明後日も隣で笑っていてほしいんだ。

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