sweet sweet sweet 2

sweet dream＜21＞※ ページ21

手越side


たかは、まるで宝物を扱うように俺に触れる。
その行為の一つ一つが愛おしくて
それだけで、俺はすぐに昇りつめてしまう。
昇りつめても終わらなくて
何度も何度も愛されていくうちに
どれだけ時間が経ったのかも分からなくて
何も考えられなくなるんだ。



「あ、あぁ……、たか、た、か……」

「ゆうや……」



もっと愛してほしい。
俺なしじゃ、生きられないくらい
俺に溺れてよ。
うわ言のように自分の名前を呼ぶ俺の唇を
優しく塞いで、行為は続く。



「すげー、きもちい……」

「あっ……、あぁっ…、んんっ！」

「ふふっ、きゅうってなったね」

「やっ……、そんな、の、わかんない……」

「ほんと？」



たかの動きが早くなって
俺はまた昇りつめる。
ああ、どうしよう。
死ぬほど気持ちいい。




「ゆうや」



行為が終わった後、名前を呼ばれて
薄眼を開けると、たかは優しい顔で
俺の髪を撫でていた。




「なぁに…？」

「…結婚、しようか」

「え……」

「戸籍上はムリだけど」



涙が溢れる。



「残りの人生一緒に歩んでほしい」

「たか……、ほんとに…？」

「俺と、結婚してください」

「…はい」







1ヶ月後。
たかは予定通り帰任し、
史上最年少で海外事業部の部長に、
たかを可愛がっていた前任の部長は
取締役にそれぞれ昇進した。



「増田！手越！」

「部長、いろいろお世話になりました」

「お世話になりました」



たかと話していたら、部長が通りかかった。
2人で挨拶をすると、部長は笑って
たかの肩をポンっと叩く。



「増田！頼んだぞ？海外事業部も手越のことも」

「はい……、って、え？！」

「部長？！」

「お前が留守の間、加藤とよく頑張ってくれたよ。ま、式には呼んでくれ」

「いや、式って…」

「おいー、式くらい挙げろよ。楽しみにしてるぞ！」


部長が行ってしまったあと
どちらからともなく目を合わせて笑う。



「ま、2人して一緒の指輪してたらバレバレか」

「そうだね」

「式、挙げる？」

「え……」

「みんなに、ちゃんと報告しよっか」

「ん……」



お互いの薬指にある指輪を見て
その意味を改めて噛みしめる。



「ゆうや？」

「なに？」

「ありがと。俺を、選んでくれて」

「たか」

「幸せにする」

「2人で幸せになろ、でしょ、そこは」



得意げにそう言い放った俺を
たかは思い切り抱きしめた。

会社、なのにね。









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