sweet sweet sweet

Luciole＜１＞　 ページ8

＜出逢った日の奇跡のように／番外編＞

☆今回のお話は全て増田さん視点です
フラグが立ちそうな回には※が付いています
不快な方、苦手な方は飛ばしてお読みください



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「ホタルが光るのって、どうしてか知ってる？」

「いや……知らない」

「求愛行動なんだって」

「へー」

「東京から1時間も走ってないのにね」

「すごいね。ちょーキレイ」

「まっすー、虫苦手だから嫌がるかなって思ったけど」

「いや……、結構 感動してるかも」

川べりで無数に飛び交うホタルも

その幻想的な光に照らされた横顔も

この世のものと思えないほど美しくて




「よかった。……また一緒に来ようね」






その約束は、果たされないまま






「まっすー！」

はっとして振り返ると腕組みをした白衣姿の小山が立っていた

「小山……」

「ほどほどにしないと、倒れちゃうよ？」

「わかってる」

「……わかってない」

「ふふっ、わかってないけどわかってる」

「なにそれ！」

小山は融通の利かない俺を理解してくれる数少ない友人だ

「ね、てご元気にしてんの？」

「さぁ？」

「冷たいね」

「……そ？」

小山は、ひとつため息をつくと、気を取り直したように

にっこり笑って

「また飲みに行こうよ！シゲも誘ってさ」

「ああ、うん。いいね」

「じゃ、おつかれ！」

「おつかれー」





＜まっすーなんか、大っ嫌い！＞





最後に投げつけられた言葉が脳裏をよぎる

あいつから『留学が決まった』と伝えられたのは、１年前



＜ねぇ、どうしたらいい？＞

＜どうしたらいいって……なんで？＞

＜だって、また離れ離れになる＞

＜俺、会いに行くって言ったよね？＞

＜言ったけどさ！２年だよ？＞

＜何年でも関係ないじゃん＞

＜………＞

＜てごし？＞

＜まっすーは、わかってない＞

＜は？＞

＜あの時、俺がどんな気持ちでいたか＞

＜でも、無事だった＞

＜それは……結果論じゃん！＞

＜何なんだよ。じゃあ、“俺のそばにいろ”。……これで満足？＞

＜……ひどい＞

＜ひどいってさ。なんでも俺ありきっておかしくない？子供じゃないんだから＞

＜もういい……＞

＜どういう意味？＞

＜まっすーなんか、大っ嫌い！＞

大きな瞳に涙をいっぱい溜めて、手越は部屋を出て行った

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