sweet sweet sweet

independence day＜2＞ ページ42

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こんな夜中に誰だよ。
応答はせず、モニターを確認する。


「え……」

『いるんでしょ？』


走って玄関に行き、急いで扉を開ける。
立っていたのは、手越。


「なんで？ってか、なんで家、知ってんの？」

「マネージャーに聞いた。とりあえず上がってい？」


俺の返事を待たずに靴を脱ぎ
リビングに向かう手越は、
明らかに不機嫌な顔をしている。


「どうしたの？なんで来たの？」

「0時ぴったりに電話したのに話し中でさ！
しょーがないから来たんだよ」


しょーがないから？
って、お前……もっと言い方あるでしょ。
でも、俺の誕生日ちゃんと覚えててくれたんだ。


「なにニヤけてんの？俺、今ちょー機嫌悪いよ？」

「……ごめん」

「1番におめでとうって言いたかった！」

「ごめん」

「スニーカーだって、いつ見に行くんだよ！」

「ごめん」

「めちゃくちゃ楽しみにしてんだけど！」

「ごめん」

「電話したかったから飲みの誘い全部断ったのに！バカみたいじゃん！」

「ごめ………え？」


キョトンとする俺を見て、しまった、という顔をした手越。


「おれ、やっぱ帰る」

「ちょっと待ってよ」

「うっさい！帰る！」

「てごし」


逃げる身体をぎゅっと抱き寄せて唇を重ねた。
殴られるかと思ったけど、意外にも手越は
大人しく腕の中に収まっている。


「まだ、いてよ。帰んないで」

「そこまでしたのに、なんで俺が一番じゃねーんだよ……」

「ごめん……てか、どんだけ負けず嫌いなの」

「増田さんのことに関しては、誰にも負けたくない」


鼻をすする音が聞こえる。
……泣いてる？
それって、そう言うことなんだろうか。
同じ気持ちでいてくれるって、期待しても
いいんだろうか。


「…お前が、一番最初だよ？」

「え？」

「一番最初に会いに来てくれたじゃん。ありがと。
すげー、嬉しい」

「増田さん」

「なに？」


抱きしめたままの手越が恥ずかしそうに呟く。


「いつまでこうしてんの？」

「いや？」

「……そんなわけねーじゃん」

「じゃ、ずっと。ふふふ」

「きもちわるいな」

「ひどいね。俺、誕生日なのに」

「だって、さっきからずっとニヤニヤしてる」

「ねぇ？」

「なに？」

「もう遅いし、泊まってけば？」

「………」

「ん？」

「うん……」



じっと俺を見つめる手越の唇に唇を重ねると
それはだんだんと深いものになっていった。

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