雨のち晴れ＜2＞ ページ30
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「父さん。祐也です」
「入りなさい」
扉を開けると、父さんと顧問弁護士の先生。
「祐也様、お久しぶりです。ご立派になられて」
「ご無沙汰してます」
「ちょうど、お前を呼ぼうと思っていたところだった」
テーブルには、たくさんの報告書。
見なくてもわかる。タカについてのものだ。
「少し、彼のことを調べさせていただきました。
祐也様は、彼の素性をご存知でしたか？」
「……素性？」
「そうです」
タカの実家は、確か会社を営んでいたはず。
だけど末っ子だから好きなことをさせてもらえる、
と言っていた。
「彼のご実家は、手越家同様に何代も続く名家です」
「え？」
「末弟ですので本家の跡取りではありませんが
現在お勤めの商社は、増田家の傘下企業です。
いずれは彼がトップとなるでしょう」
手越家同様？
そんなこと、一言も言ってなかった。
「祐也」
「…はい」
「末っ子とは言え、あの増田家のご子息だ。
お前の立場を充分に理解しているからこそ
身を引いてくれたんじゃないのか」
「父さん……」
「今、あちらと揉めるのは得策ではない。
今回のことは、私も目を瞑ろう。彼のことを忘れて
手越を継ぐのであれば婚約破棄は認める」
「……無理だよ」
「祐也！」
「手越は、僕が守ります。彼とももう逢わない。
でも忘れるなんて無理だ」
「祐也……」
「タカだけだった。家じゃなくて俺を好きになってくれたのは」
「……もういい」
「申し訳、ありません」
俺は、父さんに初めて頭を下げた。
小さな頃から、手越の跡取りとして
申し分ないくらいの教育を受けさせてもらったのに
期待に応えられなくてごめん。
出来損ないの息子でごめん。
「先生」
「…はい」
「例のものを」
「祐也様。こちらは昨年M&Aで取得した企業の資料です」
「……数字、良くないですね」
「1年で、業績を回復できますか？」
「僕が、ですか」
「そうです」
「祐也。もしこの会社を立て直すことができたら、その時はお前の好きなようにさせてやる」
「父さん…」
「どうだ？やってみるか？」
普通に考えたら、時間がなさすぎる。
だけど。
「やらせてください」
選択肢なんてない。
やるしかないんだ。
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りお(プロフ) - 莉織さん» 莉織様、温かいお言葉、本当にありがとうございます(^^)。子供と大人の割合が半々くらいの手越さん、いかがでしたでしょうか(^^)。最後は、増田さんの重めの愛で締めさせていただきました。これからも甘々な2人を描けるように頑張ります！ (2019年5月14日 21時) (
レス) id: de0e8fed57 (このIDを非表示/違反報告)
莉織(プロフ) - りおさん» 早速、可愛い手越くんがいっぱいで最高です！ ちっちゃくなるだけじゃなくて、テゴマスの甘々もあるのが新しくてとても楽しみです！ (2019年5月14日 19時) (レス) id: 6e79a16567 (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - 莉織さん» 莉織様、コメントありがとうございます(^^)。子供になってしまうと言う設定は初めてなので手探りで物語を進めております。少しでも楽しんでいただければ幸いです！本当にありがとうございます(^^)。 (2019年5月14日 6時) (レス) id: de0e8fed57 (このIDを非表示/違反報告)
莉織(プロフ) - いつもお話読ませて頂いています。甘々なテゴマスがいっぱいで面白くて、最高です。今回は、手越くんが子供になるみたいなので今からワクワクです！更新頑張って下さい！応援しています！ (2019年5月13日 18時) (レス) id: 6e79a16567 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りお | 作成日時：2019年5月13日 6時
