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Dans ce bras<4> ページ22

増田side


一晩中、俺に抱かれて意識を手放したゆうやは

憑き物が落ちたような顔をして眠っている

……やっと抜けたか

沢山の涙と吐き出した欲を丁寧に拭き取って髪を撫でる

「ん……、た、か」

「いるよ。大丈夫」

「ん、………」

……あいつに、もう一度クギ刺しとこうかな

またこんなことされたら俺の感情が持たない

次は絶対ボコボコにしてしまう

確か……昔もらった名刺があったはず




『もしもし』

「……増田です」

『そろそろかかってくると思ってたよ』

「手越のことなんですけど」

『あー、わかってる。僕だって君んとこの事務所とは揉めたくないからね』

「…なら、話早いですね。よろしくお願いします。それじゃ」

『あ、待って?……少しは感謝してくれた?かわいかったでしょ、昨夜の手越くん』

「は?あんた何言ってんの?ざけんな」

『まぁ、そんなに怒らないで?ふふっ、また……
仕事で一緒になった時はよろしくね?“まっすー”』

そこで、電話は切れた

俺は怒りを抑えきれず、スマホを投げる

「たか………?」

「あ、おはよ。身体、つらくない?」

「ん……、どうしたの…?」

「ああ……、何でもないよ。もっと休んでたら?
今日オフでしょ?」

「うん……。起きたら、たか居なかったから…」

「そっか。ごめんね。ベッド行く?」

「あの……ね、昨日ごめんなさい……」

「なんで、ゆうやが謝るの」

「だっ……て、タカの言うこと聞かないから……
それに、あんな風に……っ」

そう言うと、わんわん泣き出したゆうやを

優しく抱きしめる

「お前はなーんにも悪くない。そうでしょ?」

「……たか?」

「うん?」

「も一回だけ……して……?」

「え、」

「昨夜のこと、忘れさせて…」

「でも……身体つらいでしょ?」

「いい」

「ゆうや」

「それとも、あんな風になった俺……嫌になった……?」

「ばか。そんな訳ないじゃん」

「だったら……」

抱きしめていた身体を少し離して顔を覗き込む

大きな目に溜まっていた涙が

瞬きをした瞬間にハラリと零れ落ちた

「ん……」

ゆうやの額に、そっとキスを落とす

「あっち、いこ」

昨夜の名残がまだ残るベッドにゆうやを横たえる

「たか……、すき」

「おれも」

「うん……」

「つらかったら…、ちゃんと教えて?」

「ん…」

ゆうやは、恥ずかしそうに俺の首に腕を回した

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りお(プロフ) - 莉織さん» 莉織様、温かいお言葉、本当にありがとうございます(^^)。子供と大人の割合が半々くらいの手越さん、いかがでしたでしょうか(^^)。最後は、増田さんの重めの愛で締めさせていただきました。これからも甘々な2人を描けるように頑張ります! (2019年5月14日 21時) (レス) id: de0e8fed57 (このIDを非表示/違反報告)
莉織(プロフ) - りおさん» 早速、可愛い手越くんがいっぱいで最高です! ちっちゃくなるだけじゃなくて、テゴマスの甘々もあるのが新しくてとても楽しみです! (2019年5月14日 19時) (レス) id: 6e79a16567 (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - 莉織さん» 莉織様、コメントありがとうございます(^^)。子供になってしまうと言う設定は初めてなので手探りで物語を進めております。少しでも楽しんでいただければ幸いです!本当にありがとうございます(^^)。 (2019年5月14日 6時) (レス) id: de0e8fed57 (このIDを非表示/違反報告)
莉織(プロフ) - いつもお話読ませて頂いています。甘々なテゴマスがいっぱいで面白くて、最高です。今回は、手越くんが子供になるみたいなので今からワクワクです!更新頑張って下さい!応援しています! (2019年5月13日 18時) (レス) id: 6e79a16567 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りお | 作成日時:2019年5月13日 6時

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