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Tigre et lapin <3> ページ16

増田side


<タカって、寅年だよね>

<そう。え、なんで?>

<んーん、強そうだなって>

<なんだ、それ>

<俺、卯年だからさ。ちょっと羨ましい>

<あー、なんかウサギって感じするわ>

<だろ?>

<ドヤ顔で言うな。寂しがりや>

<ふふっ、タカいるから寂しくないけどね>






「なぁ、増田さん?」

「なに?」

「ウサギってさ。寂しがりやなんだよね」

……お前までそんなこと言うの?

あぁ、こいつも卯年か

「なに、突然」

いつか、手越とした会話を思い出す

「ま、俗説なんだろうけど!あいつ、がさ」

「……あいつって手越?」

「んー…。余計なお世話なんだけどさぁ」

「うん」

「泣いてたって!」



シゲは、少し言いにくそうに俺が出て行った後の楽屋の様子を教えてくれた



「……増田さんさぁ。わかってるんでしょ?」

「なにを?」

「あいつが遊びまくってる理由」

「独りが嫌だから、だろ?」

「それ、マジで言ってんの?」

「シゲ」

「……ごめん。2人のことに首突っ込んで」

「いや、俺こそごめん。でも、もう終わってるから」

シゲは、それ以上なにも言わなかった







打ち合わせが終わったのは、日付が変わるころ

タクシーを拾うために大通りへ出る

「え、てごし……?」

ふと目をやった先には、見慣れた姿

帽子を深く被って、マスクをしてるけど

俺があいつを見間違えるわけがない

ほどほどにしとけって言ったのに

こんな時間に何やってんだよ

でも、こんなに人がいるところで

名前を呼ぶわけにもいかない

気付かれないように近づいて腕を掴むと

手越はビクッと身体を震わせた

「こんな時間になにしてんの」

「タ…ま、すださんこそ……何してんの?」

「打ち合わせ終わって帰るとこ」

「あ……、そう、なんだ」

「どこ行くの」

「え、あー、ちょっと誘われたから」

「だれに?」

「……知り合い」

「だれ?」

「……なんでだよ!関係ねーだろ?!」

「ほどほどにしとけって言わなかったっけ」

「……」

「わかってるって、お前言ったよね?」



黙り込む手越の腕を掴んだままタクシーを止める



「え……、ちょっと!ますださん!」



自分まで乗せられると思っていなかった手越を

無理やり押し込めてタクシーは走り出した

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りお(プロフ) - 莉織さん» 莉織様、温かいお言葉、本当にありがとうございます(^^)。子供と大人の割合が半々くらいの手越さん、いかがでしたでしょうか(^^)。最後は、増田さんの重めの愛で締めさせていただきました。これからも甘々な2人を描けるように頑張ります! (2019年5月14日 21時) (レス) id: de0e8fed57 (このIDを非表示/違反報告)
莉織(プロフ) - りおさん» 早速、可愛い手越くんがいっぱいで最高です! ちっちゃくなるだけじゃなくて、テゴマスの甘々もあるのが新しくてとても楽しみです! (2019年5月14日 19時) (レス) id: 6e79a16567 (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - 莉織さん» 莉織様、コメントありがとうございます(^^)。子供になってしまうと言う設定は初めてなので手探りで物語を進めております。少しでも楽しんでいただければ幸いです!本当にありがとうございます(^^)。 (2019年5月14日 6時) (レス) id: de0e8fed57 (このIDを非表示/違反報告)
莉織(プロフ) - いつもお話読ませて頂いています。甘々なテゴマスがいっぱいで面白くて、最高です。今回は、手越くんが子供になるみたいなので今からワクワクです!更新頑張って下さい!応援しています! (2019年5月13日 18時) (レス) id: 6e79a16567 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りお | 作成日時:2019年5月13日 6時

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