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増田side


やっとレコーディングも終わって

明日は、束の間の休息

久しぶりにみんな揃ってのオフをもらった

手越が張り切ってウチ飲み会を画策してたけど

そんなに突然で小山とシゲが来てくれんのか?

どうなることやら



仕事が終わって、先に楽屋を出た俺は

いったん自宅へ荷物を取りに行って

手越のマンションに向かった

玄関には、手越の靴だけ

「てごしー?」

「おかえり。おつかれ」

手越はいつも俺が行くと“おかえり”と言う

それがあまりに自然だから、すんなり受け入れてしまうけど

改めて考えると少し恥ずかしい

そういえば、あいつら来れんのかな?

聞いてみると、見事に振られたらしい

あ、そうなの?と返事はしたものの、

まぁ急だし、そりゃそうだろう

あいつらにも都合ってもんがあるし



「けーちゃんとシゲ、今日はきっとデートだよ」

さらっと言ってのけた手越に耳を疑う

今、なんつった?

「俺と増田さんがこうしてるのと一緒じゃん」

「は?……あいつらリアルでコヤシゲしてんの?」

驚きを隠せない俺に、手越は何を今更、と言う顔をしている

「なに言ってんの、ますださん……。それにそれ言うなら俺らだって……」

あ……。

そうだ。俺らも、リアルでテゴマスじゃん

人のことはわかるのに自分のことはわからないって

よく言うけど、本当にそうだ

「ふふっ、それもそうだな」

「そうだよ」

こんなくだらない話で笑いあえる

改めて、こいつの存在の大きさを知る

手越にはこれからも敵わないんだろうな

あ、そう言えば……

ふと、ある事を確認したくなって

俺は徐ろに手越のシャツを捲る

俺のつけた印は、きれいに消えている

突然のことに驚いて、真っ赤になって黙り込む手越の耳元で囁く





「……こわい?俺のこと」

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作者名:りお | 作成日時:2019年2月23日 20時

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