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手越side
レコーディングも無事に終わって
発売を待つのみとなった
最高のアルバムが出来たと思う
これを引っさげてのツアーも楽しみで仕方ない
早くみんなの笑顔が見たい
「てごしー?」
「おかえり。おつかれ」
明日は2人揃ってのオフ
……いや、正確には4人揃って、なんだけど
いろいろ心配かけちゃったお詫びに
俺ん家で飯でもって思ったら
コヤシゲには振られちゃったんだよね
『ねぇねぇ、けーちゃん!今日ひま?』
『あー、ごめん!今日はちょっと……』
『そっかそっか。シゲは?』
『わりぃ、俺もダメだわ』
そこで、俺はピンとくる
2人は2人で約束してるんだ
久しぶりのオフだもんね
そりゃ、そうだわ
ふふふ。野暮なこと聞いちゃった
『わかった!また誘うね!』
『てごちゃん、ごめんね〜』
『悪いな、手越。また声かけて!』
『うん、もちろん!じゃ、おつかれー』
「で、なに。あいつらは?」
「んー?振られた」
「あ、そうなの?」
「けーちゃんとシゲ、今日はきっとデートだよ」
「なんだよ、それ」
「俺と増田さんがこうしてるのと一緒じゃん」
「は?……あいつらリアルでコヤシゲしてんの?」
え……マジか、この人。
もしかして知らなかったの?
めっちゃ今更でしょ
「なに言ってんの、ますださん……。それにそれ言うなら俺らだって……」
「ふふっ、それもそうだな」
「そうだよ」
他愛ないことで笑える幸せ
ニヤニヤしていると、突然増田さんが俺のシャツを剥ぐ
「えっ?!急になに?!」
「いや……もうすっかり消えてるなぁと思って」
「……」
真っ赤になって黙り込む俺の耳元で増田さんが囁く
「……こわい?俺のこと」
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作者名:りお | 作成日時:2019年2月23日 20時