sweet sweet sweet 7

ハルノマボロシ＜1＞ ページ34

♡side


近頃、同じ夢ばかりを見る。
タカが隣で歌ってて
いつもみたいに目を合わせて微笑むのに
おれが歌おうとするといなくなっちゃうんだ。
どーして……？
ずっと一緒だって、約束したじゃん。




「ゆうや？大丈夫？」

「……たか」

「うなされてたけど」

「また、あの夢……、みた」

「え？歌おうとすると俺が消えるってやつ？」

「ぅん……」



タカは何も言わずにおれを抱きしめる。
そして頭を優しく撫でてくれるんだ。
同じ夢を何度見たって、それは夢でしかない。
現実には、ちゃんと隣にタカがいて
おれのこと見守ってくれてる。
なのに。



「なんでだろー。こんなにそばにいんのにね」

「…ごめん」

「まだ愛情が足りてないのかな」



わざと茶化すような言い方
この人の、こーゆーところが大好き。
思わず顔が綻ぶ俺を見てタカはホッとしてる。




「今日は少し遅くなるかも」

「なに、打ち合わせ？」

「ん…。話がなかなか進まなくて、さ」

「頑張れよ」

「ありがと…。一旦戻るけど、そのあと会食
入ってるからご飯いらないや」

「わかった」



独立してから、ありがたいことに
仕事をたくさんいただいている。
でも、まとまらない案件も多い。
ある程度、予測はしていたけれど……
弱気になっている自分がいる。
かろうじてバランスを保てているのは
ファンとタカのおかげ。
タカは
タカだけは
何があってもそばにいてくれる。
そうだよね……。



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