Brighter Day<9> ページ30
▽side
安心しきって眠る姿を見て
思わず笑ってしまう。
こーゆーとこは変わってない。
かわいいな……。
『おれ、タカといる時だけぐっすり眠れる』
『子供か』
『えー、だってホントだもん!』
『じゃ、これからは毎日熟睡だね』
『へへ』
一緒に暮らし始めた頃、嬉しそうに
やっとぐっすり眠れるって笑ってたな。
こいつが置いてきた記憶の中に俺はいるけれど
きれいさっぱり忘れてるわけじゃないってわかって
少し安心する。
ここにいたいって言ってたけど
風邪引くとダメだから寝室連れてくか。
「……ん、ますださん?」
「ごめん、起こしちゃったね。ベッドいこ?」
「…………」
抱き上げると目を覚ましたゆうやは
寝ぼけているのかぼんやりして返事もしない。
ベッドに寝かせて頭を撫でてやると
くすぐったそうに目を細める。
「……おやすみ」
「ん…、ありがとう。おやすみ…」
一生そばにいるから
一生そばにいて
一生はなれないように
一生懸命に
ふと思い出した歌のフレーズを口ずさむと
ゆうやが目を開ける。
「いまの……いい曲だね…。ますださんの声すき…」
「…ありがと」
「んーん……、おれこそ…」
お前を守ってやれるのは俺だけであってほしい。
無理に思い出さなくてもいい。
だけど早く思い出して。
両極端な思いがぐるぐる心の中で
渦巻いている。
嫌がることはしないと
大切にすると決めたはずなのに
どす黒いなにかが俺を支配していく。
無防備に眠っているゆうやに覆い被さった。
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りお(プロフ) - ○○さん» いつもありがとうございます(^^)。おかげさまで完結することができました!その後のお話もぼちぼち書いていきますので、また遊びに来てください(^^)。ありがとうございます! (2021年3月20日 15時) (レス) id: c93f364402 (このIDを非表示/違反報告)
○○(プロフ) - ハルノマボロシ完結お疲れ様でした!今回のお話は読みながら時々ウルっときちゃいました。ラブ甘と切なさともどかしさが次話への楽しみを倍増させてますね(^^) りおさん凄いです!! (2021年3月20日 9時) (レス) id: e95240eb5e (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - ○○さん» ありがとうございます!そう言っていただけて本当に嬉しいです!!今のお話も終わりに近づいてきましたが、もう少しお付き合いいただけると幸いです(^^) (2021年2月16日 22時) (レス) id: ff25befd3c (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - ネコさん» ありがとうございます(^^)。物語も終わりに近づいてきました。もう少しだけお付き合いくださいね(^^) (2021年2月16日 21時) (レス) id: ff25befd3c (このIDを非表示/違反報告)
○○(プロフ) - こんにちは(^^) 今回のお話は切なくて泣けちゃいます。りおさんのお話は飽きないんですよねぇ。。どの作品にもラブ甘が満載で嬉しい!忙しい中更新ありがとうございます。続きも楽しみにしています(^^) (2021年2月16日 9時) (レス) id: e95240eb5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りお | 作成日時:2020年11月11日 4時