ハルノマボロシ＜10＞ ページ43
♡side
タカが戻ってきてくれて
過呼吸を起こす回数も減った。
薬に頼らなくても眠れるようにもなった。
朝、起きるとタカがいて
おはようって言ってくれる。
それだけで安心できる。
あとは……声だけ。
タカが好きだと言ってくれたこの声を
早く取り戻したい。
「…ただいま」
「…ぉ、………、？？」
(おかえりなさ……？？)
帰ってきたタカを見て、
時間が止まる。
赤い髪……
もしかして……。
「……ゆうや？」
「……………………」
「…こんな髪の色してたらわかっちゃうか」
タカは、小さく息をはいて
ツアーが決まった、と言った。
�爐�めでとう�瓩辰童世錣覆�ゃ……。
でも、身体が震えて上手く笑えない。
ごめんね。
こんなわがまま、許されるはずない……。
「………っ、ぅ、ぁ…」
(ごめん、おれ、おれ……っ)
「…大丈夫。ゆっくり息して」
ふわっと抱きしめられて
息をするのを忘れていた心臓の音が
静かになっていく。
ツアーが決まってよかった。
嬉しいのは、おれも一緒だよ……？
だけど、だけど……
そこにおれの居場所は、なくて……。
「……………っ、………」
(ごめんなさい……)
「………ごめんな。今のタイミングで」
なんで……？
タカはなんも悪くない。
おれが勝手に1人になったのに。
みんなに迷惑かけて飛び出したのに。
「……隠してたわけじゃないんだ。
もう少しお前が良くなったら話そうと思ってた」
「……………、ぅ……、」
(わかってる……)
「ごめん…」
どうしよう
そんな顔しないで。
ちゃんとわかってるから
よかったって思ってるから
おめでとうって……
「…泣かないで」
タカにそう言われて
涙を流していることに気付く。
どうしていつもこうなんだろう。
後悔なんてしてないはず。
迷惑をかけた分、頑張らなきゃいけないのに……
「ゆうや！」
タカの叫ぶ声と驚いた顔が
スローモーションで見える。
頭がクラクラして目の前が暗くなっていく。
いやだ。
意識を失いたくない。
タカがまたいなくなっちゃう……。
目を覚ましたとき、タカがいないなら
もう2度と目なんて覚めなくていい。
そうすれば、ずっと一緒にいられるでしょ……？
.
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りお(プロフ) - ○○さん» いつもありがとうございます(^^)。おかげさまで完結することができました！その後のお話もぼちぼち書いていきますので、また遊びに来てください(^^)。ありがとうございます！ (2021年3月20日 15時) (
レス) id: c93f364402 (このIDを非表示/違反報告)
○○(プロフ) - ハルノマボロシ完結お疲れ様でした！今回のお話は読みながら時々ウルっときちゃいました。ラブ甘と切なさともどかしさが次話への楽しみを倍増させてますね(^^) りおさん凄いです！！ (2021年3月20日 9時) (レス) id: e95240eb5e (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - ○○さん» ありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいです！！今のお話も終わりに近づいてきましたが、もう少しお付き合いいただけると幸いです(^^) (2021年2月16日 22時) (レス) id: ff25befd3c (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - ネコさん» ありがとうございます(^^)。物語も終わりに近づいてきました。もう少しだけお付き合いくださいね(^^) (2021年2月16日 21時) (レス) id: ff25befd3c (このIDを非表示/違反報告)
○○(プロフ) - こんにちは(^^) 今回のお話は切なくて泣けちゃいます。りおさんのお話は飽きないんですよねぇ。。どの作品にもラブ甘が満載で嬉しい！忙しい中更新ありがとうございます。続きも楽しみにしています(^^) (2021年2月16日 9時) (レス) id: e95240eb5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りお | 作成日時：2020年11月11日 4時
