sweet sweet sweet 7

Brighter Day＜3＞ ページ24

▽side


仕事を終えてすぐ、病院へ向かう。
部屋に入るとコウキと談笑しているゆうやの姿。
思ったよりも元気そうで安心する。




「あ、来てくださったんですね」

「今日は都内で仕事してて…。飛んできました」

「僕、外しますね。面会時間は１５分だそうです」




コウキが出て行って しん、となる病室。
何か言わなきゃと思っていたとき
不思議そうに俺を見ていたゆうやが口を開く。



「あの……、どちらさま、ですか…」

「え？」

「すみません……」

「……………」

「でも、慌てて来てくれたってことは……
きっと近しい人、なんですよね……」



なにこれ。
俺がわかんないってこと？
コウキとは笑って話してたじゃん……。



「増田さん、そろそろ時間です」

「コウキ、この人だれ……？」

「え？なに言ってんの。増田さんじゃん」

「………………しらない」



初め笑っていたコウキの顔色が変わる。
すぐに先生を呼んできます、と言って出て行った。



「俺のこと、忘れちゃったの…？」

「…………ごめんなさい」



申し訳なさそうに俯くゆうやに愕然とする。
主治医の先生は頭を打ったせいで
一部の記憶が欠落している、と言った。
自分の名前も家族構成も、今の仕事も
全て覚えているけれど
アイドルをしていたことや
俺のことは覚えていない、と。
そんなことって、あるの……？




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