sweet sweet sweet 4

the day＜6＞ ページ33

♡side


玄関の開く音がする。
鍵持ってるのタカだけなのに
だれだろ……。
あー、そっかそっか。
逢いたすぎて幻聴が聞こえるようになったんだ。
ふふ。本当にタカだったらいいのに。
ごめんね。
めいわくかけたけど
おれ、すげーわがままだからさ。
NEWSにかえりたい。
またタカと歌いたい。
けーちゃんやシゲちゃんと歌いたい。
3人がいたから頑張れたんだよ。
NEWSがあったから、俺は負けずにいられたんだ。





「……なにしてんの」



声のする方を見遣ると
そこには逢いたくて仕方なかった大好きな人が
立っていた。



「え……、ど、して…？」

「どーせなんも食わずに落ちてんだろうなって思って」

「……………っ」

「…飯くらい食え」

「……っ、ごめんなさい…っ」

「も、いい…」



ばかみたいに泣き噦るおれを
タカは優しく抱きしめてくれた
覚えてるのはそれだけ。
俺はいつのまにか眠ってしまって
気がついた時はベッドの中だった。


　
「ゆうや？おはよ」

「……っ、たかぁ…」

「はっ？なんで泣いてんだよ」

「………〜〜〜っ」

「え、マジでどした。ゆーう？」

「ぜんぶ、ゆめかとおもった……」

「いるよ。そばにちゃんと」



そう言うとタカは触れるだけのキスをして
頬を伝う涙を拭ってくれる。
大きな手。
大好きな笑顔。



「どんなゆうやでも、好きだから」

「おれがアイドルじゃ…なくなっても？」

「うん」

「一緒に歌えなくなっても？」

「うん」

「このまま、許してもらえなくても？」

「うん」

「ただの�犲蟇柩缶薛瓩砲覆辰討癲�」

「うん」



不安に思うこと、全部をぶつける。
タカの気持ちを試すように。
そんなおれに呆れることなく
全て受け入れてくれる。
優しさが心に染み渡っていく。



「どんなお前でもいい」

「たかぁ……」

「でもね。小山もシゲもお前のこと大好きなんだわ」

「〜〜〜〜……っ」

「だから……、帰っておいで。今度は俺が、俺たちがお前を守るから」

「……ん。ぅん」
　



それからもしばらくは
あることないことがネットに書かれて批判された。
これからのことはまだ何も決まってない。
だけどおれにはタカがいる。
けーちゃんやシゲちゃんもいる。
なにより応援してくれているファンがいる。
だから、今まで以上に強くいようと思う。




「ただいま」

「おかえりー！」

「お、元気じゃん。今日なにしてたの？」

「お弁当配った！」

「……べんとう？」




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