the day＜1＞ ページ28
▽side
ねぇ、てごし
どんなに嫌だって言っても
絶対離してやらないって
いつか言ったよね。
だけどもういいんだよ。
繋いだ手は、離してあげる。
終わりに、しよう。
「まっすー！」
「小山、シゲ」
「手越は？」
「…家にいるんじゃない？」
「そか。……あいつ、さ。どうするつもりだろ」
「……わかんない。でも、子供じゃないんだし。
自分で判断するでしょ」
「……まっすーは厳しい」
「小山が甘すぎんだよ」
今回は、流石にかばいようがない。
不名誉なことに予定されていたプロジェクトは
参加見合わせとなってしまった。
事務所で打ち合わせをして帰宅すると、
真っ暗なリビングのソファに佇んでいる手越がいた。
「ただいま」
「………おかえり」
「電気くらいつけな。飯食った？」
明かりをつけると眩しそうに目を細める手越。
朝から何も口にしていないと言うその顔には
全く覇気がない。
俺の方を見ようともせず、エマを抱きしめている。
「あのさ」
「………………ん？」
「俺、自分んちに戻るわ」
「もう…一緒にいられない………？」
「そんなんじゃない」
「そんなにいけないこと、だったの、かな…」
「………そんなにいけないこと、だったんだよ？
お前は軽い気持ちだったかもしれないけど」
「……………」
「荷物はまた取りに来る」
「まって。いやだ。いかないで……」
「一回、頭冷やしな」
「……いや。おねがいだから…。
ここにいて？ちゃんとするから……っ」
「ちゃんと？……信じらんない」
「たか……」
「それくらいのことを、お前はしたんだよ？」
「……………」
ハラハラと大きな瞳から流れ落ちる雫。
だけど泣きたいのはお前だけじゃない。
どうか気づいて欲しい。
もっと泣きたいはずなのに
まだ信じて待っていてくれるファンがいるってこと。
「ゆっくり休めよ？」
「いや…。ひとりにしないで………」
「………」
「おねがい……っ」
鳶色の瞳から
止めどなく流れる涙。
わがままで自己中で
何度言っても聞かない
どうしようもない奴だけど
それでも俺には大切な存在で。
いつもみたいに、�爛丱�だね�瓩辰童世辰�
抱きしめてしまいそうになる。
「たか……、たかっ…」
「………」
泣きながら縋り付いてくるてごしを
俺はどうしても突き放すことが出来なかった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 134人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りお(プロフ) - ネコさん» 初めまして(^^)！コメントありがとうございます。私も、2人の絆は簡単に壊れるものではないと思っています。時間はかかるかも知れませんが、事務所とか関係なく2人で歌える日が来ると信じています(^^)。 (2020年7月16日 5時) (
レス) id: 7dfe254945 (このIDを非表示/違反報告)
ネコ - はじめまして！更新ありがとうございます。私は、りおさんが書くテゴマスのお話が大好きです。離れていてもテゴマスの絆は永遠ですよね。本当にいつか二人で歌える日が来るといいなと思います。これからもラブラブな二人のお話をよろしくお願いします。 (2020年7月15日 20時) (レス) id: a56b8eaa48 (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - ○○さん» ありがとうございます(^^)。そうですよね、やっぱり彼の相方はあの人しか笑。近い将来、また2人一緒の姿を見られるといいですね(^^)。 (2020年7月12日 6時) (レス) id: 7dfe254945 (このIDを非表示/違反報告)
○○(プロフ) - ふふふww読みながら笑っちゃいました。更新ありがとうございます(^^) りおさんのお話でなんだかほっこりして。やっぱり相方は…ねwってニヤニヤしつつ、ふたりの歌声が重なる日を待ちます (2020年7月11日 21時) (レス) id: e95240eb5e (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - クックさん» こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます。本当ですね。たとえ時間がかかってもまた2人で歌える日が来ることを願うばかりです。 (2020年6月27日 21時) (レス) id: 7dfe254945 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りお | 作成日時：2020年2月13日 4時
