sweet sweet sweet 4

stay with……？＜4＞ ページ22

▽side


……まったく。飲みすぎだ。
ぶっ倒れた手越を寝室へ運ぶ。
平気平気って言うけどさ。
もっと甘えたらいいじゃん。
一緒に歌うときも
撮影でくっつくときも
ライブで手を繋ぐときも。
俺がどんなに幸せか知らないでしょ。
俺はいつでもお前が1番なんだよ？
そんなこと、絶対言えないけど。
……昔は何も考えずに好きだって態度してたっけ。
いつの頃からか、その気持ちを
表に出さないようになった。
それがお互いのためだと思ったから。




寝室まで運んでベッドに寝かせると
手越の大きな瞳からはポロポロと
涙が流れていた。



「……どっか痛い？」

「いたくない…」

「じゃ、なんで泣いてんの」

「わかんない……」



泣いてるのに、かわいいなんて不謹慎だよな。
だけど、いつもと違う手越が
かわいくて仕方ない。
こんな姿、見られるのは俺だけだって
ヘンな優越感に浸りながら
ずっと頭を撫でていた。



「……たか」

「……………」

「たか……」

「…なに、ゆうや」

「……………ぅ……っ」

「泣かないでよ」



一気に時間が戻っていく。
弟みたいだと思っていた手越を
いつのまにか好きになって
でもそれはずっと伝えられなくて。



「たか……、たかひさ……っ」

「………………」



どうして、たかひさって呼ぶの。
どうして泣くの。
俺たちは同じ気持ちなのかもしれない。
だけどお前を失うことが怖くて
嫌われたくなくて一歩が踏み出せない。
あの頃からずっと、俺は逃げてばかりだ。






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