sweet sweet sweet 4

so sweet＜5＞ ページ18

♡side


『…ありがと』

『………え』

『おれのこと、好きになってくれて』



なんで、そんなこと言うの……？
ありがとうって言うのは、おれのほう。
どんなにバカなことしても
変わらず隣で歌ってくれるから
呆れずそばに居てくれるから
おれは、強くなれるんだ。
ちゃんと伝えたい。
おれもありがとうって。
でも……でも。
たかひさのくれる波に揺られて頭が真っ白で
なにも言えないの。
そんな優しい目で見つめないで。
幸せで、温かくて、怖くて、
泣きそうになるから。
次に目覚めたときも、隣にいてね。
どこにも行かないで。
ずっとそばにいて。




『かわいいね、ゆうや。……すきだよ』





うん。おれもすき。だいすき。
ありがと……。









「ん………」


目が覚めると、ベッドにはやっぱりおれ1人。
あれ………？
夢だったのかなって思うけど
そうじゃない。
たかひさはちゃんと愛してくれた。
まだ少し温かいシーツ。
身体の紅い印。鈍い痛み。
幸せな余韻があちこちに残っている。
ありがとって言ってた……。
一気に顔が赤面する。
そーゆーこと、めったに言わないのに。
わわわ。すげー恥ずかしい……！
1人でジタバタしていると、
ベッドサイドに置いてあったメモを見つけた。



おはよ。よく寝てるから、起こさず出るね。
今日は早く帰るから待ってて。

たかひさ



手書きなのが彼らしくて思わず顔が綻ぶ。
帰ってきたら、一緒にごはん食べよう。
たかひさの好きなものばかり並べて。
ふふ。どんな顔するだろう。
嬉しそうな顔を思い浮かべたら
おれまで嬉しくなってきちゃう。




「はやくかえってこないかな……」




窓からは優しい光が差し込んでいる。
それはまるでたかひさの笑顔みたい。
またウトウトしてきた目を閉じる。
1人なのに、2人でいるような気がして
もう寂しいなんて思わなかった。









「おい、起きろ」

「ん………？」

「もしかして、ずっと寝てたの？」

「え！！」



目を開けると、たかひさがいた。
慌てて起き上がると、もう西陽が差し込んでいる。
マジか……。




「おは、よ……」

「おはよ。すげー寝てたじゃん」

「ん……」

「ふふ。久しぶりで疲れちゃった？」

「………ばかっ！」








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