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♡side
「……そろそろ行くわ」
タカが来たときからわかってたはずなのに。
帰ってほしくなくて
もう少しだけ一緒にいたくて
困らせるのを承知でぎゅうっと抱きつく。
タカはふふっと笑って紅い痕に口付けする。
「またすぐ逢えるから」
「………」
「……さみしい？」
「ん……」
「……来る？俺と一緒に」
東京へもどる……？
タカと……？
離れたくない。
ずっとそばにいてほしい。
だけど……
だけど。
「んーん……。ここにいる…」
「……そか」
俺の答えをわかっていたんだろう。
タカは優しく微笑んで頭を撫でてくれた。
ごめんね。俺、まだあの場所には戻れない。
昼も夜もない、ほしいものは何でも手に入る
魔法のような街。
そんな街で日々を謳歌していたあの頃の俺が
今の姿を見たらなんて言うかな。
「……ゆうや」
「ん？」
「いや……。じゃ、行くわ」
「気をつけてね……」
タカの車が見えなくなるまで
窓から見送る。
ここには、テレビも電話もない。
スマホも解約してしまった。
タカが心配して、スマホくらい持て
っていつも言うけど……。
どんどん情報がアップデートされて
正しいのか間違いなのか
確認もしないまま拡散されていく。
俺1人の言葉なんてすぐに掻き消され
知りたくもないことが耳に入ってくる。
こわいんだ。
情報過多な世の中に流されるしかない自分が。
タカが帰っていったあと、
しばらく何もしたくなくてぼんやりしていた。
どれくらい時間が経ったんだろう。
陽は完全に落ちて夜の帳が降りてきている。
ふとテーブルを見ると小さな箱とメモがあった。
なんだろう……。
�狎縞垢�たくなったら使って��
箱の中身は、通話機能だけが付いた携帯で
タカの番号が登録してあった。
「……過保護だなぁ」
さっきまでの虚しさはどこへ行ったのか。
じんわりとタカの愛情が染み込んでいくみたい。
涙が頬を伝っていく。
俺はケータイを握りしめてそっと目を閉じた。
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りお(プロフ) - いくっちさん» いくっち様、ありがとうございます！私も、手越さんには幸せになってほしいです。苦悩の末にヒカリが差し込むといいなぁ……と。更新頑張ります(^^)！ (2019年12月5日 5時) (
レス) id: fe4ea4d68c (このIDを非表示/違反報告)
いくっち(プロフ) - こんなお話し好きです！手越くんが儚くて好きです！幸せになってと願いながら読ませてもらってます！更新楽しみにしてます(^^) (2019年12月4日 20時) (レス) id: a434130a02 (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - nicoさん» nico様、コメントありがとうございます！手越さんの儚い雰囲気がちゃんと出せているか不安でしたが、そう言っていただけて嬉しいです(^^)。更新頑張ります！ (2019年12月2日 4時) (レス) id: fe4ea4d68c (このIDを非表示/違反報告)
nico(プロフ) - このお話とても好きです！手越くんが儚くて可愛くて愛しい……(T-T)更新楽しみにしてます。 (2019年12月1日 21時) (レス) id: 05c997570a (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - ○○さん» ◯◯様、こんばんは！いつも読んでいただいて本当にありがとうございます！楽しんでもらえるように頑張ります(^^)！！ (2019年11月24日 19時) (レス) id: fe4ea4d68c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りお | 作成日時：2019年11月24日 18時
