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手越side
記念ライブのご褒美に
1週間のオフをもらった
けーちゃんとシゲは、旅行中みたい
「ねぇ、俺たちもどっか行こうよ」
「えー、やだよ。暑いし。家にいる」
なんなの、この人
なんでこんなに暑さに弱いの……
あ、寒さにも弱いんだった
タカと旅行したいのにな
「行こうよ。涼しいとこだったらいいでしょ？」
ダーメ。無理だって。避暑地も絶対暑いもん。
なかなか首を縦に振ってくれない……
「じゃあ、誰か誘って行ってきていい？！」
もうやけくそだ
「は？なんでだよ。ヤダ」
もう。なんでそんなわがままなの？
いい加減にしないと怒っちゃうよ？？
だんだん口数が少なくなってきて
流石にヤバいと思ったのか
タカは俺を抱き寄せて
「俺はね、ずっと手越とこうしていたいよ？」
涼しいこの部屋でね。ふふふっ
……って訳分かんない！
「じゃ、1週間も部屋に籠るわけ？」
んー、そういうことになるかな
あ、ご飯とかは外に食べ行こ？
夜になったらね
屈託のない大好きな笑顔を向けられて
戦意が喪失する
いっつもそう
意外と、タカのほうがわがまま通すからね？
イメージは逆かもしれないけど
はぁ……もういいや
旅行なんて行かなくても
タカと一緒なら幸せ幸せ！
諦めて黙る俺に
「てーごし？機嫌なおして？」
と顔を覗き込んで、ちゅっとキスをする
「…………もっと…」
1回じゃ機嫌なおんないから！
「ふふ。いくらでも。仰せのままに」
優しく何度も何度もキスをくれる
そのうち、ゆっくりと身体が倒されて
タカが俺を見下ろす
「やっぱこっちの方がしっくり来るわ」
「そ？……でも、そうかも」
組み敷かれたまま、ふふっと笑い合う
「ね、スタジアム、すごい楽しかったね」
「ん、ちょー楽しかった」
「テゴマス歌えたしね」
「そだね」
「また…テゴマスもやりたいね」
「うん。ね、てごし？ちょっと黙って……？」
「…………んっ」
ゆっくりタカの顔が近づいてきて
俺は目を閉じた
これからも、いろんな景色を一緒に見よう
過ぎた時間は戻せないから
前だけ見て歩いていく
隣にタカがいる
それだけで、俺は強くなれるよ？
そばにいてくれて、ありがと
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作者名：りお | 作成日時：2018年11月14日 20時
