風雅君に振り向いてほしい。

22 ページ22

浮「やったー！また、勝った！」


「先輩、意外と強いですね。」


今はエアホッケーをしている。
ゲーセンなんてあんまり来ないから、メダルゲームか何かするのかと思っていたら、バスケのゴールを決めるやつとか、ダンスのやつとか体を動かすようなものばっかりで、結構楽しい。


「次、何にしましょうか。」


浮「敬語なしにしようよ。」


「え、でも。」


浮「なんか、休みの日なのに部活してるみたい。」


「それはそうなんですけど、親しき中にも礼儀ありって言うじゃないですか。」



浮「硬いこといわないでさ、ね、今日だけでいいからさ。」


お世話になっている先輩にここまで頼まれると断れない。


「えっと、次、何にする？」


浮「あ、ユーフォーキャッチャーやりたい！勝負しようよ。」


「勝てる気がしない。」


浮「よし、決まりー。」

敬語なしは割りときついけど、慣れてきた。


「あ、これ！ひよこのぬいぐるみ！」


浮「好きなの？」


「うん。癒されるからさ。」


浮「じゃあ、この台にしようよ。」


勝負をするも、取れず、最後の一回もおしいところまではいったけどとれなかった。


先輩はというと、最後の一回と言ったやつで取れたらしく、私はまた負けてしまった。


浮「これ、あげるよ。」


そういって、私にひよこちゃんのぬいぐるみをくれた。

「ありがとうございます。」


ﾋﾟｺﾝ

なお今どこ???


「ちょっと、すみません。」



浮「あ、尚？」


「そうです。」


浮「そういえば連絡してなかった。」


Aゲーセンにいるよ。


浮「合流して平気なの？」


先輩のおかげでしばらくは余計なことを考えなくて済んだ。もう、大丈夫。

「はい。大丈夫です。お腹すいたし！」


浮「敬語に戻りかけてる。」


「先輩、ありがとう。」


浮「うん。」

先輩は温かい笑顔で笑ってくれた。




尚「あ、いた！もうびっくりしたんだよ。いなかったから。」



浮「ごめんね。途中で具合悪くなっちゃって。Aも付き合わせちゃった。」


尚「そういうことなんですね。」



あれこれ話しているうちに、ご飯を食べることになった。

23→←21

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す