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カクシゴト ページ31

尚ちゃんのお話です。(お話の中にgl的な要素を含んでいます。すみませんが、苦手な方は引き返してください。)



父親は世界中を放浪するカメラマンだった。
情熱的で感情の起伏が激しい父は外で女をつくって、私が幼い頃にいなくなった。



私からした父の存在は、たまに金をせびりにくるおっさんだった。


母はそんな父でも、「こんな写真を撮れる人なんていない。あの人は私達にはない特別な才能がある人だから。」といって、別れず、私と3つ年下の弟を育ててくれている。




本当の愛ってなんだろう。
好きな人の自由を願うこと?ワガママを全て受け入れること?それが正しい愛の形?


ずっと疑問だった。
だから、運命の人に早く会いたかった。
好みだと感じた人には片っ端から告白した。
最初こそ、付き合ったりしたものの、私が告白魔という噂がすぐ広まって、誰も相手にしなくなった。
やっぱり、フラれると自分はいらないと言われてるみたいで泣きたくなった。


でも、部活に行けばAが話を聞いてくれて、どんどんと心が安らいでいった。泣いてると背中を擦ってくれる手の体温はとても暖かかった。気晴らしに私の大好きなサーティワンを奢ってくれたこともあった。

尚「何でそんなに、人に優しくできるの?」
純粋な疑問をAに聞いてみたことがある。
Aは眉毛を八の字にさせながら、ニコッと笑って、「わからない。」と答えた。


その笑顔がかわいくて、私もこんな女の子になりたかった、と思った。


部活をしている中で、浮所先輩がAを好きだってことはすぐにわかった。よくAを見てたし、本人は隠してるみたいだけど、顔も緩んでいた。


胸が締め付けられるみたいだった。
グッと誰かに胸を捕まれてるみたいに息苦しかった。


この時、あの笑顔が忘れられないのは彼女に恋をしているからだと気づいてしまった。


よくドラマとか映画とかであるけど、本当にこんなに苦しいんだと思った。こんなに辛い思いをしながらも自分とそんなに年の変わらない主人公達は、難なくクリアしていくのか、と感心してしまった。



それとも、自分は同性が好きだから、特別こんなにも苦しいのだろうか。



私は、女の子だ。スカートを穿くことに違和感はないし、喋り方も、考え方も、好みも全部女の子だ。




それなのに、先輩と話してるだけでイラついたり、少し話しただけでこんなにも嬉しいのはAが初めてだった。

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涼音(プロフ) - spuare2の更新楽しみにしてましたが、消してしまったのならしょうがないですね。把握します!これからも頑張ってください (2019年11月25日 17時) (レス) id: 8c6c513fbc (このIDを非表示/違反報告)
ぴーちぃ(プロフ) - 更新お疲れ様です! (2019年10月31日 0時) (レス) id: 1a39a279d3 (このIDを非表示/違反報告)
けーぽ(プロフ) - ドキドキが止まりません!次の更新楽しみにしてます! (2019年9月8日 16時) (レス) id: 386d70d567 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:田中 | 作成日時:2019年9月6日 22時

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