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先輩に背中を押されて、もういないと思っていたら、風雅君はまだ、駐輪場にいた。
尚ちゃんも一緒だった。
尚「あー、私はお邪魔みたいですね!帰ります!」
尚ちゃんが帰ると、沈黙が流れる。
「あのさ、」
風「あの、」
「あ、先にどうぞ。」
風「さっきは急に怒鳴ったりしてごめん。俺、先輩に嫉妬してん。」
「えっ?」
どういうこと?嫉妬?
風「だから、俺はAが好きや。」
1番聞きたい言葉だった。
10年間の思いがようやく届いた気がした。
風「Aが浮所先輩を好きなのはわかっとる。でも、いつか絶対好きになってもらうように努力するから、」
「私、浮所先輩のこと恋愛感情で見てないよ。」
風「どういうこと?まって、でも、えっ?」
「私が好きなのは風雅君だけだよ。」
風「ほんまに?これ嘘やない?」
「ずっと、風雅君への気持ちを隠してた。ずっと、何かと言い訳して、気持ちを伝えることを避けてた。ごめんなさい。」
風「うわ、まじか。」
風雅君は手で顔を覆って、信じられないという顔をしている。
私からしたら、風雅君が好きになってくれてたほうが驚きなのに。
風「ハンカチ見た?」
「ハンカチって、プレゼントの中身?」
風「うん。今、見て。」
風雅君に急かされて、今朝もらったプレゼントを開ける。
中にはクローバーの刺繍がされたハンカチが入っていた。
「これって、もしかして。」
10年前の約束のとき
風「大きくなったら、結婚しような。」
「うん!」
風「これ、約束のしるし!あげる。」
そういって、クローバーを指に巻いてくれた。
「もしかして、風雅君、10年前の約束覚えているの?」
風「忘れるか、アホ!忘れたことなんてないわ!」
「本当に?」
風「うん。せやから、結婚前提に付き合って。」
「うん!」
10年ごしの思いはやっと届いた。
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涼音(プロフ) - spuare2の更新楽しみにしてましたが、消してしまったのならしょうがないですね。把握します!これからも頑張ってください (2019年11月25日 17時) (レス) id: 8c6c513fbc (このIDを非表示/違反報告)
ぴーちぃ(プロフ) - 更新お疲れ様です! (2019年10月31日 0時) (レス) id: 1a39a279d3 (このIDを非表示/違反報告)
けーぽ(プロフ) - ドキドキが止まりません!次の更新楽しみにしてます! (2019年9月8日 16時) (レス) id: 386d70d567 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:田中 | 作成日時:2019年9月6日 22時