恋と愛と依存【轟焦凍】 (ページ10)

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「まだ、食えるか？」

ご飯を食べ終わり食器を洗っているとショートさんが
冷蔵庫を見ながらそう質問する。

『食べれるっちゃ食べれます』

「なら、よかった。職場の女の子たちが美味しいって言ってたから買ってみたんだが甘いものは好きか？」

と小さな箱を冷蔵庫から取り出し、開いて中を見せてくれる。
中にはケーキが入っていた。

『わ！ケーキ！大好きです！！』

「そうか」

ふっと笑うショートさんの笑顔。
あぁ、人に笑顔を向けられたのはいつぶりだろう。

この家には初めてや久々が多く混乱する。

「腹でも痛いか？」

俯いてしまった私の顔を覗き込むショートさん。

『い、いえ！ケーキ食べましょう！』

「フォーク持ってきてくれるか？」

『はい！』

お皿とフォークを持ち先にリビングに向かったショートさんに渡す。

「どれがいい？」

『選んでいいんですか？』

「Aのために買ってきたしな」

『じゃ、じゃあ、これがいいです…！』

見た目まで可愛いケーキをお皿に乗せてくれる。
ショートさんが自分のケーキを取り出し口に運ぶのを見て
食べるのも勿体無い可愛いケーキにフォークを入れる。

『おいしい…っ！』

「そういえば、明後日少し出かけようと思うのだが行けるか？」

『明後日、ですか？大丈夫ですよ』

「そうか。分かった。」

ケーキを食べ終わり、部屋に戻る。

この家はもともと私がいた家とは正反対だ。
こんなにも心が落ち着く。

不思議な感覚だった。

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