恋と愛と依存【轟焦凍】 (ページ14)

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( side todoroki )

『ショ…ト、さん…ッ』

息を振り絞って漏らした声が聞こえた。

やめろよ…！

気が付けばヴィランが氷で覆われていた。
そして、左手の中にいたAも一緒に凍らせてしまっていた。

「A…ッ！！！」

慌ててヴィランに近付き、左の炎でAの周りのみを早急に溶かす。

ケホッケホッと咳き込むA。

「悪りぃA…大丈夫か…」

『ショ…トさん、ショートさん…ッ』

「もうすぐ体の方も溶けるからな…本当に悪りぃ」

『ショートさん、ショートさん…っ』

久しぶりに感情の制御ができなくなり、勢いに任せ全てを凍らせてしまった。完全に俺の落ち度だ。
申し訳なさと不甲斐なさで一杯になる。

Aはというと、安堵からなのかポロポロと涙を流していた。

ゾクリ…

何故だか涙を流すAの顔を見ると心臓が飛び跳ねるような感覚がした。
この感覚は一体何なのだろう。

一通り現場の片付けをしつつ警察にヴィランの引き渡しを行う。

さすがにもう一度、Aを１人にしておくのは心配だったため外壁が壊れてしまっている事務所の奥の方の部屋で待っていてもらうことにした。

「遅くなってすまない。帰るか。」

『はい…』

帰路は一言も話さなかった。
もとい、話せなかった。

Aを巻き込んでしまった原因は全て俺だ。

気安くなんて話しかけられる訳がない。
俺が事務所になんて寄らないでAを１人にしなければ…
という考えがずっと頭の中を巡っていた。

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