episode33 ページ35
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辺りはもう暗くなっていて
学園の敷地外は住宅街の灯りが目立つ。
私の手にあるのは紙の欠片が４枚だけ。
泥がついてたり、しわくちゃだけど。
はっきりと見える５人が書いた文字。
その文字を見て、また涙腺が緩みそうになる。
ダメだよ…、今は泣いてる場合じゃないんだ。
10月の冷たい夜風に自分を奮い立たせて
私は公園へと足を踏み入れた。
｢ﾆｬｰｯ｣
｢あれ？この猫…？｣
初めて高校に転校してきた日の灰色のやせ細った猫。
あの後、勝利に聞いたら
｢俺のじゃないし、あの後の行方も知らない｣
とだけ言われた。
私は、あの時のこと少しだけ後悔していた。
でも目の前の猫は前より少し太っていて
足に、雑だけど包帯もちゃんと巻かれていた。
何より安心したのは首に付けられた赤い首輪。
｢お家見つかったんだ、良かったね？｣
｢ﾆｬｰ、ﾆｬｰｯ｣
｢ん……？佐藤…？｣
赤い首輪につけられていたプレートには
良く見るとそう書かれていた。
勝利の顔が浮かんだけど、佐藤なんてたくさんいるだろうし偶然だよね。
そう思って立ち上がろうとしたときだった。
｢お姉さん？寒空の下でそんな格好して風邪ひいちゃうよ？ていうか、その制服ってことは…めっちゃお嬢様じゃん！｣
｢…………｣
｢そんな警戒しないでよ？はい、これ。そこの自販機のココア。あ、お嬢様はこんなもの口に合わないかな？｣
手渡された紙コップのココア。
“お嬢様"を馬鹿にされた気がして
ムカついて一気に飲んでやった。
普段の私ならこんなことしないのに。
｢っ…！？｣
｢やっぱりお嬢様は罠にかかりやすいな〜。こんな時間に、こんなとこ出歩く君が悪いんだよ？｣
ガクッとなる膝にぼやける視界。
感じたのは男の腕に包まれる感触で。
気持ち悪い……!!
抵抗したいのに体に力が入らなくて。
｢それじゃぁ行こうか、楽しいことするために。そこに車っ……！？｣
私に纏っていた嫌な感触が急になくなって
立ってる力がない私は地面に倒れ込んだ。
最後に写ったのは、男が飛んでるとこ。
いや正確には、殴り飛ばされたとこ。
｢っ…！Aっ！Aっ！｣
遠くで私を呼ぶ声がする。
視界は真っ暗で何も見えなかった。
それでも私を包み込んでくれる腕は
暖かくて、優しかった。
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#審判 - 面白かったです！ パスワード教えてもらえませんか？ お願いします！ (2019年8月13日 23時) (
レス) id: fc8b5bc6cc (このIDを非表示/違反報告)
てぃな(プロフ) - とても楽しく読ませてもらういました、続きも読みたいのでパスワードを教えてもらってもよろしいですか、！、 (2018年12月22日 6時) (レス) id: d6f1e517a3 (このIDを非表示/違反報告)
yuna(プロフ) - 続きがすごく気になります。パスワードを教えて欲しいです！ (2018年2月3日 23時) (レス) id: f7eb10b4bf (このIDを非表示/違反報告)
tei - 続きが気になるのでパスワードを教えてもらえませんか？ (2017年12月25日 11時) (レス) id: 129734bc46 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)未来(プロフ) - 続きが気になるのでパスワード教えてください (2017年11月15日 15時) (レス) id: ff5b4d76dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナ | 作成日時：2014年9月29日 2時
