Who am I ？ 6 (ページ2)

今日:50 hit、昨日:238 hit、合計:153,699 hit

・ページ2

*

(SG side)

信じられない。本当に信じられない。練習室に行ったら、キーとディノがいた。2人で楽しく話していて、僕もその輪に入れて貰おうなんて思いながら後ろから話しかけようとしたらキーの口から出た衝撃的なひと言。

『ヌナが可愛がりたい弟はチャニだけだよ』

本当に信じられなくて、コンビニで買ったプリンの入った袋を落とした。絶対プリンはぐしゃぐしゃだ。でも今はそんなことどうだっていい。キーはいつも僕に『わたしには弟がいっぱい居るから嬉しいんだ。わたしの中ではミンギュから下のみんなはわたしの可愛い弟だと思ってる』なんて言っていたのに？可愛がりたいのはディノだけ？

SG「僕、もう今日はヌナと喋んない…」

僕は意地悪だと思った。そう言えばキーが追いかけてきてくれると分かっているから。結局キーはちゃんと僕の後ろを追いかけてきてくれて、『スングァナ！』と僕の腕を掴む。お、なんだかドラマみたいな展開じゃない？

SG「口聞かないって言った」
『そうだけど…！』
SG「僕は喋らないよ」
『誤解だよ…！』
SG「何が？ディノが居ればいいんでしょ？ディノと一緒にいれば？」

ズルいことも十分に分かっていて、そして同時にキーのことを困らせていることも分かっている。でも僕は傷ついたんだよ、キー。それは分かってもらわなきゃ。

『確かにディノのことを可愛がりたいとは言ったけど、でもね？違うんだ。わたしの中でスングァニは可愛い弟だけど、ディノとは……なんて言うのかな？ジャンル？ジャンルが違うというか』

饒舌にさっきのは違うと繰り返すキー。まだ拗ねたような表情を見せる僕の表情を見て困ったような表情と、少し悲しそうな表情を見せる。

SG「いつも可愛い弟なんて言うのにね」
『あのね…！わたしの中ではスングァニは頼りになる弟なんだよ。可愛いのはそういうお兄さんのように見せてくれるところがというか…！！』

最早泣きそうな表情で何度も誤解を解くようにさっきから同じ話の繰り返し。きっと焦っているキーはそのことにも気づいていないと思う。

SG「僕の買ったプリン、誰かのせいで落としたからぐしゃぐしゃだよ」

袋からプリンを取り出して、案の定ぐしゃぐしゃになったそれを見せれば、さっきまでの表情を吹き飛ばしたようにたちまち笑顔になる。

『新しいの買ってくる！練習終わったら食べよう。2人だけの秘密だよ』

ズルいのはお互い様かな。その笑顔を見れば僕も許しちゃうんだし。