my princesses２ (ページ8)

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第四十二話ページ8

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(SC side)

フルアルバムを出すこと、それからそれと合わせたワールドツアーを行うことが告げられた。久しぶりに事務所に集合した15人。なんだけど、聞いているのか分からない俺の隣に座るA。

ボーッと資料だけを見つめて、いつもなら見せる反応すらも無くて。なんと言うのか、心がここに無いみたいな。

「そういうわけで、ウジにはその前から曲を作ってもらってるけど、Aも今回は曲作りに参加する予定で」
HS「あの…」
「ホシヤ、どうしたの？」
HS「ヌナとワールドツアーは…、一緒に回れますか？」

まるで自分のことを話されているなんて思ってもみないような。いや、というかこれ聞こえてないだろ。肘でツンとAを突けば、ハッとした表情を見せる。

「今のところ参加予定ではあるから、Aにも練習には参加してもらう予定だよ」
『…ごめんなさい。なんの話でしたっけ？』
MG「ヌナ、寝てた？」
『ごめん、意識飛んでた』
SR「大丈夫？」
『うん。昨日遅くまで作業してたから』
JH「体調崩さないでね。気をつけてよ？」
『ごめんなさい、ありがとう』

いやいや。本当に大丈夫か？と不安になって、「本当に平気か？」と聞けば、頷いてみせる。それ以降は、いつも通りのようには見えたけど。心配そうなのは俺だけじゃ無く、ジョンハンとジョシュアもだったらしい。2人とも打ち合わせなんてそっちのけで、眉を下げてこちらに座っているAのことを見つめていた。

本人は全くそんなことに気づいている様子もないけれど。

ジョンハンとジョシュアへ目配せれば、「大丈夫なの？」とジョシュアが口パクでそう言うから、そうらしいと言う意味を込めて少し曖昧に頷いてみせた。