my princesses２ (ページ46)

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(SC side)

『スンチョラ』

Aは優しい表情でこちらを見つめ、『スンチョラ』ともう一度俺の名前を呼んだ。「うん」と返事を返せば、Aは大きく俺の頭を撫でる。

『わたしが休んでた時、スンチョリは言ってくれたでしょ？帰ってきて欲しいって。でも活動とかSEVENTEENが今重荷にやってるなら…、安易に帰ってきてとは言えない。今は無理しなくて良いよ。ゆっくりで良いから、一旦休んで…、負担になったら嫌だから本当は言いたくないけど……。スンチョリには、ここに、また帰ってきてほしい。わたし達のリーダーとして』

いつか俺が言ったその言葉をなぞる様にしてそれを伝えた。まだ俺は何も言えず、ただ頷いてみせる。

『ユンにも同じこと伝えるつもりなんだよね。2人とも正義感強いし、こうでも言わなきゃ休んでくれないじゃん』
SC「うん。確かに。間違いはないな」

また笑いながら、酒を継ぎ足して『乾杯』なんて言いながらグラスを重ねる。

『2人がステージから降りるってCARAT達に伝えた時、スンチョリって本当にすごいんだなって思ったよ。いつもああいう役を買って出てくれるじゃん。やっぱりわたしじゃないなぁ、って』
SC「AのSay the name、ちょっと面白かったよ」
『え、なんで知ってんの？』
SC「マネージャーヒョンが動画くれた」
『えー！最悪なんだけど！』
SC「ハハハ！なんでだよ、良いだろ。別に」
『ヤダよ〜！なんか覗かれた気分だし、見せるもんじゃないじゃん、ああいうの』
SC「俺の見てるじゃん、いつも」
『スンチョリのとは違うじゃん！なんか！伝わるでしょ？』
SC「全然伝わんねぇ」
『なんで！？』

少し重かった空気が明るくなって、いつもの俺たちの雰囲気に戻る。それに満足したのかAは嬉しそうに笑っていた。

『よっしゃ〜！朝まで呑むか〜！』
SC「誰だよ、さっき全部開けるわけじゃないって言った奴」
『良いじゃん、この雰囲気に乾杯しようよ』
SC「ぜってぇヤダ」
『えー！？スンチョリってば、つれないね』
SC「二日酔いで空港にいるCARAT達に会いたい人〜」
『よし、呑むのやめて寝よう。おやすみ、スンチョラ！』
SC「すげぇ、こんなに態度激変する人初めて見たわ」

たった少しの時間だったけど、一生忘れられない日になるだろう。心の重荷が少し減ったようなそんな気がした。